英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ドーンブッシュの法則

 晴れ。東京はまだ台風の気配はない。
 IMFの年次総会が始まった。世界経済に対する悲観的な見通しが影を投げかける中、株安とドイツ経済に始まる経済指標の不振が会議を左右しそうだ。多くの出席した大臣らから、IMFへの不満の声が噴出した。IMF議長を務めるシンガポール財務大臣は改革の継続を訴えた。改革こそ未来の成長につながる、という理屈だ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/870396a8-5186-11e4-bae0-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz3FoXCd759
 Fedのフィッシャー副議長が講演を行った。米国の政策担当者が世界経済に貢献できることは、自らの家(米国経済自身)を秩序だったものにしておくことだ、という。
 http://www.calculatedriskblog.com/2014/10/fed-vice-chairman-fischer-federal.html
 国際経済学の分野で「ドーンブッシュの法則」なるものがあるそうだ。危機は人々が考えているより長引くものであり、また危機の進行もより早い。
 これは今ユーロ圏で進行していることに当てはまる。緊縮財政主義を続けてきたために、インフレ率は低下し、ユーロ圏経済は難儀し始めた。物事は2012年の夏のように再び深刻な状況に陥りつつある。
 ドラギ総裁はユーロ圏経済を引っ張り挙げようとしているが、2012年のときのようなわけにはいくまい。クルーグマン教授である。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/10/dornbuschs-law.html
 現在、経済が苦境にあるのは、財政緊縮をあまりに強く推し進めすぎたせいだという。ようこそ、緊縮財政の米国へ、とこの筆者は皮肉っている。
 財政赤字はGDP比で3パーセント以下に改善したが、経済成長は失望させるほどの水準にとどまっている。両者は無関係とは言えない、というのが筆者の主張だ。
 http://www.washingtonpost.com/blogs/wonkblog/wp/2014/10/10/why-is-the-recovery-so-weak-its-the-austerity-stupid/
 このコラムはPikketyの著作をうまくたとえている。
 http://econospeak.blogspot.jp/2014/04/piketty-for-dummies.html