英字紙ウォッチング

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IMFの不都合な真実

 IMFに対する評価レポートが出た。厳しい指摘が出ている。ユーロ圏危機を振り返ると、今後IMFが行動をとることについて非常に批判的である。
 IMFのスタッフ自身が述べていることだが、2010年のギリシャ債務危機は維持可能ではないのに、IMFは欧州諸国の圧力に負けて、ギリシャの債務をリストラすることを十分できなかった。そして、財政緊縮の影響を過小評価してしまった。
 IMFがこうした失敗を繰り返すのは、構造的問題があるからだ。2015年に戻ると、IMFの欧州局を主導するトムセン氏は、「我々はメンバー諸国を平等に取り扱い、ルールも一律に適用する」と述べた。しかし、これはギリシャをはじめとするケースにおいて、失敗してきたことである。
 アイケングリーン教授が書いている。問題は、欧州諸国がIMFの大株主であることだ。それゆえ、IMFは欧州諸国の機関に成り下がっている。欧州諸国のマネージングディレクターがおり、欧州諸国から多数のスタッフを雇い、欧州文化であふれている。
 IMFは本来の任務に立ち返るべきだ。IMFは債務者と債権者の間の公平な調整役であるべきである。不適切な貸出をしたら債権者は応分の負担を負うべきであるし、債務者が維持可能であるように政策をとるべきである。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2016/08/hard-truths-for-the-imf.html