曇り。今日は珍しく時間も、余裕もあるのでじっくり更新。
Fedの低金利政策が意図せざる結果として、海外の銀行を利することになっているという指摘がある。Fedに対して銀行が預けている中銀預金に金利が付されている。年間47億ドルになるが、このうちの半分を海外の銀行が得ている。
これからFedは利上げに踏み切っていく。そうすると、こうした海外の銀行に対する利子の支払いも増えていく勘定になる。これを米国の納税者から海外の納税者への所得移転だ、と問題視する声があるようだ。
http://online.wsj.com/articles/fed-rate-policies-aid-foreign-banks-1412013119?mod=WSJ_hp_LEFTTopStories
キャリートレードという言葉は優しく、無害な言葉のように聞こえる。しかし、ドルがこのまま高騰し続けると、何兆ドルもの資金が新興国市場から流れ出し、成長を阻害する恐れがあると指摘されている。これまでドル安と低金利を前提に成立していたキャリートレードの巻き戻しが始まりそうだ。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/27a516d8-47e4-11e4-be7b-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz3EZR5YY3p
Fed内のタカ派の両巨頭、プロッサーとフィッシャー総裁が近く退任する。彼らは米国経済にとって大きな問題はインフレだと主張する。そして、利上げをすぐにでも実行すべきだという。
問題はインフレといっても、賃金が上昇し始めることだ。最近の講演でフィッシャー総裁はこの点に言及している。失業率が6・1パーセントを切ると、賃金インフレが急速に起き始めるという。
プロッサー総裁はフィッシャーとは若干違う観点から意見を述べている。彼は賃金が上昇すること自体は悪いわけではないという。問題は賃金上昇のスピードが速すぎることだという。
イエレンは彼らの意見に同調していない。望ましい賃金上昇率の水準は年率3〜4パーセントだと見ている。これはインフレとは言えない、というのがイエレン議長の考えだ。
しかし、マーケットは今後30年間でインフレ率が3パーセントに戻るとは思っていない。
http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/09/the-fed-would-be-crazy-to-worry-about-runaway-wages.html