英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ジャンクロード・イエレン

 金融危機後、世界経済をみる見方として、大きく2つの見方があるという。TimDuy教授が紹介している。
 その一つの見方は、2007年の危機後の不安は、深刻な金融危機の後遺症に過ぎない、というものだ。それゆえ、時がその傷をすべて癒してくれる。現在も回復過程は進行中だ、という見方だ。
 もう一つの見方は、経済は長期停滞に苦しんでいるのではないか、という見方だ。日本ほど極端でないにしても、と付け加えている。
 後者の見方を採用するのであれば、完全雇用を維持するために、超低金利もしくはマイナスの実質金利を続ける必要があることになる。だが、前者の見方を採用するのであれば、金融政策の正常化が望ましい。
 Duy教授の見立てでは、Fedは前者の考え方を採っている。したがって、後遺症は一時的なものに過ぎない。このことは、Fedの均衡FF金利の見通しを3・75パーセント近傍とおいていることからも明らかだ。
 フィッシャー副議長は、この長期停滞論仮説から導き出される金融政策の含意を否定している。
 ただ、気になるのは、イールドカーブがフラット化している点だ。これはFedが示す金利の見通しと大きく異なっている。しかし、もしFedが利上げを実際に始めると、イールドカーブがシフトするかもしれない。
  
http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/12/fed-watch-challenging-the-fed.html
 ジャンクロードイエレン。クルーグマン教授がまた面白いことを言っている。
 前ECB総裁のトリシェは2011年に利上げを行った。これは失敗だったというのがクルーグマン教授の批判だが、イエレン議長はそのトリシェの轍を踏もうとしていると皮肉っている。
 http://krugman.blogs.nytimes.com/2014/12/10/jean-claude-yellen/?_r=0