英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ギリシャとドイツ

 台風接近で朝から雨。インドアのテニスへ。

 米国の二大プロップトレーディング会社が合併する。マディソン・タイラーとバーテュー・フィナンシャル。自動トレーディングが過去3年間、米国で急速に発展し、競争力を維持するために巨額の設備投資がますます必要になることが合併の背景にある。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/a9345d52-893e-11e0-b342-00144feab49a.html#axzz1NiOM8DCm
 「ハイフリークエンシー」と呼ばれる取引戦略において、世界のトップ5に入る会社が誕生する。
 この世界における大手とは、米国に拠点をおく、Getco、Citadel、Infinium、Hudson Riverなどがある。米国ではOptiver、IMCが挙げられる。
 今回の合併取引の一環として、大手PEのシルバーレイクが持ち株の一部を保有する。シルバーレイクは金融技術会社に投資を行ってきた。アメリトレードやインスティネットなどに投資をしてきた。
 新会社の拠点は、ロスアンジェルス、ロンドン、ダブリン、シドニー、そしてニューヨーク。

 ギリシャの債務調整がドイツにどのような意味を持つのか。ドイツのシュピーゲル誌の記事。
 http://www.spiegel.de/international/europe/0,1518,765318,00.html
 IMFが貸し出しをする場合、最低一年間は貸出先の国が健全であることを条件にしている。しかし、ワシントンの専門家は、ギリシャの場合、それが保証されるのか、疑問を抱き始めている。ここ数週間、金融市場で検討されているのは、ギリシャの債務が巨額過ぎて、海外の債権者に全額返済ができなくなる、というものだ。そして、何らかの形態の債務リストラは不可避で、債務を半分に減らすことになりそうだ。
 ヘアカットと呼ばれる、この債務の削減は、ギリシャの債権者にとって、高くつく主張だ。ギリシャは3300億ユーロの債務を抱えており、5割カットとは、1650億ユーロもの債権を放棄することを意味する。
 これはドイツにとって、どんな意味を持つのか。銀行は破綻するのか。保険会社は何十億ユーロもの評価減を立てなければならないのか。
 ドイツにとって、ギリシャ向けの債権放棄はコントロール可能だ。
 ギリシャ向けの最大の債権者は、政府系のKfW開発銀行だ。ギリシャに84億ユーロを貸し付けている。
 しかし、納税者にとってのリスクは異なる。債権放棄を行えば、ギリシャの銀行システムは崩壊し、長い間、ギリシャは金融市場から資金調達することはできなくなるだろう。