英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ハンガリーの銀行税

 今日は快晴。体育の日ということもあって、近所の幼稚園では運動会だ。昨日は結局、ジョギングで発散。今日もこれからジョギングへ。
 112回目の更新。

 FT記事より。
 http://www.ft.com/cms/s/0/a3c93fac-d4a0-11df-b230-00144feabdc0.html
 OECDの高官が、ギリシャポルトガル、スペインなどの国債金利の動きをみて投資する投資家の行き過ぎた動きを警告している。事実ではなく、アニマルスピリットに基づいて行動し、過度の債券売りを招いている、と。
 その結果、政府によっては過度の財政緊縮策を迫られているとする。市場が過度のイールドを要求する結果、当該政府による財政再建の取り組みは困難になってしまう。
 また、英国や米国のような国にも、こうした投資家のアニマルスピリットが働いている。その過度な政府債務残高にも関わらず、金利は記録的な低水準にとどまっている。

 ハンガリーに関する話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/55199dfa-d493-11df-b230-00144feabdc0.html
 オーストリアのエルステ銀行の頭取がハンガリーの銀行税政策を批判している。同行が「ホームマーケット」だとしているハンガリーから撤退することはない、としているが、投資先の重点をハンガリー以外に移す可能性を示唆している。
 ハンガリーの租税問題は幅広い関心を呼んでいる。英国では、銀行にもっと資本を積ませたり、より貸し出しを迫ったりするときに、制裁措置として銀行税を課そうという動きがある。英国やフランス、ドイツ、韓国、オーストリアでは、銀行のバランスシートに課税する動きがある。
 ただ、ハンガリーの課税は、これらの中でも最も過激なものだ。課税額は米ドルにして10億ドル。GDPの0・7%。エルステ銀行の場合、2009年にハンガリーで挙げた収益の75%が同税で持っていかれることになる。
 米国の場合、今後10年間で900億ドルを銀行税で調達しようとしている。
 ハンガリーのこうした銀行に対する姿勢の厳しさは、好調な経済成長を遂げている隣国チェコスロバキアと対照的だ。また、ポーランドはまだプレゼンスが小さいが、これから伸ばしていこうと考えている、とも述べている。

 過去のマネーサプライから。
 ゴールドマンサックスのような銀行が経済にとって必要か、という問いを立てた論考。
 http://economix.blogs.nytimes.com/2010/10/07/goldman-sachs-and-the-economy/?partner=rss&emc=rss
 バーゼルⅢによる資本規制は経済成長を阻害する、という反対意見がある。だが、ここで3つの論点を考えないといけない。一つは、必要資本を引き上げることによる経済への短期的なインパクトがいくらか。2点目は、その資本をどのようにして調達するか。3つめが、われわれはゴールドマンのようなハイリスク、ハイリターンの世界的な銀行を本当に必要としているのだろうか。
 資本規制に反対の論者は、規制によって安定成長は可能になるが、成長率が低下する、と批判する。資本規制を強化することで、銀行の資本調達コストが上昇し、その結果、貸し出し金利や貸し出し基準が厳しくなる。
 だが、その影響は最小限にとどまるとする学者もいる。大規模な銀行に対する税制優遇や暗黙の政府保証の方が非効率的で、経済の効率性をゆがめる可能性があると指摘する。
 高い信用供与が高い成長を招くという主張はデータを見る限り誤りである。将来の与信コストを考慮に入れると、決して高い成長を招くとはいえない。

 スティグリッツの投稿。
 http://www.project-syndicate.org/commentary/stiglitz130/English
 QEは効果がないだけでなく、納税者に多くのコストを強いる、と反対している。
 Fedはこの20年間、ウォールストリートの利害を代弁し、金利を低くすることで不動産バブルを招いてしまった。