英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サウジ=ベネズエラ会談

 曇り空。さあ今週もがんばろう。
 新興国中央銀行の目下の課題は、資本逃避だ。金利引き下げは資本逃避を招くとして回避されている。香港発のWSJの記事である。
 数ヶ月前まではどの新興国中銀も金利を引き下げていた。しかし、通貨安が2〜3割も進行したことから、その姿勢を転換しようとしている。その最初のアクションが、先週のインド中央銀行による政策金利の据え置きだ。6・75パーセントで金利を据え置いた。昨年は合計1・25パーセント金利を引き下げた。
 現在では中央銀行は金融システム内により一層の資金を注入している。
 インド中銀のラジャン総裁は「インド中央銀行流動性供給のすべての手段を使うつもりだ」と述べた。新興国中央銀行にしてみれば、経済成長に対する市場の疑念を生みかねないとして、これ以上の利下げは回避する姿勢を示している。
 IIFの試算によると、過去2年以上にわたり新興国市場から8460億ドルの資金が流出した。今年はこれに加えて4500億ドルの資金流出が予想されている。2010年から14年にかけて、平均で毎年1・2兆ドルの資金が新興国市場に流れ込んだ。しかし、昨年は1988年以降で初めて、ネットで資金流出となった。
 http://www.wsj.com/articles/emerging-market-central-banks-fight-outflows-1454873400
 サウジとベネズエラの石油大臣が会談した。しかし、減産に関する新たな合意はなかった模様だ。ベネズエラの石油大臣がリヤドを訪れ、会談を行った。今後、イランやロシアとも協議する。
 ベネズエラ経済は原油安に直撃されている。原油収入は7割も落ち、経済成長率は2015年5パーセント減速した。2016年のベネズエラ政府予算は40ドルの原油価格を前提としているが、現在はそれを下回る25ドル程度で推移している。
 一方、サウジアラビアは伝統的な役割であるスウィング・プロデューサー役を期待されている。現在のところ、生産カットは効果的ではない、というのがサウジ政府の公式な立場だ。米国のシェールガスオイルの生産が活発であることがその理由だ。
 http://www.wsj.com/articles/saudi-venezuela-meeting-ends-with-no-oil-production-agreement-1454861588