英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

バーゼル

 今日も暑い。

 FT紙から。株価が上昇し、銀行セクターへの懸念が後退しつつある。
 http://www.ft.com/cms/s/0/7f0e9e16-99a7-11df-a852-00144feab49a.html
 UBSやドイツ銀行の四半期決算が出始めている。UBSやドイツ銀行の内容は良い数字。バーゼル規制が従前より軟着陸しそうなことに加え、ストレステストの結果もあって、銀行株は反発している。
 意外に軟着陸しそうなバーゼルの新規制で、英国やフランスの銀行がもっとも恩恵を得る、という観測が出ている。持分子会社に対する資本付加が後退することでクレディ・アグリコールやバークレイズの株価も上昇。net stable funding ratioが厳しくないとの観測から、ロイズも株価も上昇した。
 新しい流動性規制が導入されるのは2018年に先送りされ、その内容もさほど厳しくないという観測から、大量の債券調達の必要性は薄らいでいる。

 夜の更新を少々。
 中国人民銀行について。
 http://blogs.ft.com/beyond-brics/2010/07/28/china-equities-rally-fizzling-out-net-yet/
 投資家は、「worry about potential bad debt problems at banks, unstable property prices and possible property taxes.」そうだ。人民銀行は昨日、ウェブサイトで中国経済のファンダメンタルズはgoodであると説明した。そして、今年末までこのlooseな金融政策を続ける、との報道が紹介されている。

 28日にはイエレン女史ほか、3人のFedの新しいboard of governorsが選ばれる。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/07/27/senate-committee-votes-on-fed-nominees-tomorrow/
 次回8月10日のFOMCでは、この新メンバーが投票するとみられる。

 米国の財政刺激策についてのコメントも。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/07/27/did-the-us-fiscal-stimulus-work/
 問題は、刺激策が効果あると思っている人は、「効果がある」と言っているし、そうでない人は「効果がない」と言うだけで、どちらも証拠がない(no real evidence)。これが、この論争の決定的な問題だ、という指摘。

 前にも引用したかもしれないが、PIMCOのエラリアンがFedのバーナンキについてコメントした記事。
 http://ftalphaville.ft.com/blog/2010/07/21/293521/el-erian-what-to-expect-from-bernanke%e2%80%99s-report-to-congress/
 要約すると。
 ・マーケットはFedのバーナンキの議会半期報告を注意深く見守った。それは3つの論点があるからだ。
 ・一つは、Fedが追加的な政策がどの程度必要だと考えているか
 ・もう一つは、追加策の形がどんなものか
 ・3点目は、Fedが行動する自由をどの程度持っているか
 ・Fedは経済の見通しを若干修正したが、二番底に陥るとは考えていない。高い失業率とデレバレッジが続く、低成長経済のシナリオが高い。
 ・当面Fedへの注目が集まる中、お互いに排除しない5つの選択肢がありそうだ。それは、①いわゆる時間軸政策②準備預金利率を引き下げ、銀行に貸し出しを促す③非金融部門に直接Fedが貸し出す④資産買取の再開⑤政策金利に上限を付す。
 ・しかし、これらの政策には弊害が多い。