英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

インフレターゲット

 朝は曇りだが、今日は涼しい秋晴れ。一日中テニスの予定。
 
 FTトップはバーナンキの講演。
 http://www.ft.com/cms/s/0/f1264790-d856-11df-a7b4-00144feabdc0.html
 米国経済の先行きは暗く、失業率とデフレスパイラルに対処するために金融刺激策を検討していると示唆した。米国の大規模な量的緩和観測が、ドル安が進行することで国際通貨市場の緊張を高めている。Fedに追従する中央銀行が出る可能性もある。
 バーナンキ議長は金曜日の講演で「2%にかそれよりやや下」の価格水準が適切だと委員の大半が考えていると発言し、インフレターゲットに近い政策を採用することにも触れた。政治的には議論を呼びそうだ。
 これほどはっきりバーナンキ議長がインフレ目標に触れたのは初めてのこと。「来年の成長は、長期トレンドを上回ることがなさそうだ」と述べ、「Fedがマンデートと整合的だと考えている物価水準と比べて、現在の物価は非常に低い」と付け加えた。
過去、下院民主党インフレターゲットに反対したことがある。Fedが成長を無視するのではないか、という懸念からだ。しかし、下院金融サービス委員会のバーニー・フランク委員長はバーナンキの動きを是認した。
 失業率は9・6%に達している。これは、職を見つけるのに適切でない技術を持った労働者なのか、場所が悪いのかであるという。
 バーナンキ議長の発言後、ドルは貿易加重平均で0・7%下落し、1983年に変動相場制に移行して以来初めて、オーストラリアドルと同じ価格になった。

  英国における、銀行員への超過課税に関する話題だ。
 http://www.ft.com/cms/s/0/ce60a924-d880-11df-8e05-00144feabdc0.html
 昨年の一度限りの銀行員のボーナスへの超過課税案が提出された。ロンドンのシティで働く銀行員たちは、そうなると、高い給料をもらっている者はロンドンから逃げ出すと警告している。それから10ヶ月経ったが、ロンドンから逃げ出す者はわずかだ。インフラや生活の質の観点から、ロンドンにこだわる銀行員が多かったということだ。
 これは金融市場の国際化を考える東京の関係者にとっても示唆的な話であろう。少々のコストの高さは、そこに住む便利さや快適さで補えるという証左だ。
 ただ、特にヘッジファンド業界について、多く稼ぐものたちが逃げ出さないわけではない。ほぼ1000人のヘッジファンド業界で働くものたちは過去2年間でスイスに移った。15万ポンド以上稼ぐものには50パーセントの所得税がかかることが効いた。
 長期的には、こうした課税強化の動きは、投資や雇用の場所を選ぶ際の障害になると、専門家は指摘する。

 ちょっと目線を変えて、最近関心のあるPCについての記事。
  http://www.ft.com/cms/s/2/40234694-d7b8-11df-b478-00144feabdc0.html
 iPadのようなタブレットタイプの端末の普及で、既存のPC販売に影響が出ている。今第3四半期のPC販売は予想より低かった。ガートナーの調査による。消費者は待って様子を見る姿勢になっており、米国や欧州の消費のパターンや心理に影響を与えているという。