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台湾、「危険な分離主義者」の勝利

 快晴。

 台湾総統選は与党候補である頼氏が勝利した。議会選挙の結果について、中国政府は「民進党は世論の過半数を代表していない」と述べた。

 台湾の与党である民進党は総統選において、これまでに例のない3期目となる勝利を得た。中国は頼氏を選ぶことに警告を発していたが、有権者はこれにノーを突きつけた格好だ。中国政府は頼氏のことを「危険な分離主義者」である、としていた。

 開票率90%以上の時点で、頼氏は40%の得票を獲得した。国民党の氏は33.5%の得票。野党第3政党は26.5%の得票だった。

 一方の議会選挙については、民進党過半数を失う結果となった。頼氏の得票率も現在の蔡総統が2020年に再選されたときの得票率よりも17パーセントポイントも低かった。

 台湾では1996年に自由で、直接選ばれる総統選を始めた。今回初めて、2期8年の任期を超えて同じ政党が連続して政権を獲得した。頼氏が絶対過半数を獲得することに失敗し、与党も議会多数を獲得できなかったことについて、中国政府は民進党は民意を代表していないと批判した。

 中国政府の台湾問題担当部局は声明を発表し、大陸中国との再統合に向けて促進していく、と述べた。中国政府は台湾を領土の一部と主張しており、武力行使を排除することを否定している。今回の選挙についても中国政府は「戦争か平和かの選択」と呼び掛けており、台湾有権者に選択の権利を求めている。

 また、選挙前夜には中国人民解放軍は、いかなる形での台湾独立分離主義者の動きをたたくとして、高度な警戒態勢をとると警告している。

 これに対し、頼氏は勝利声明の中で、北京政府とコミュニケーションをとり、低い緊張感で話し合う道筋を探るとアピールしている。同時に蔡政権のもとでも、挑発に関与したことはないと述べた。台湾が望んでいるのは民主的で自由な生活を維持することである。

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