英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

欧州銀行危機の皮肉

 曇り。

 欧州銀行と安全の対価。大陸欧州の銀行はなぜアメリカの銀行と異なるのか。

 ギリシャはスイスではない。この発言が3月20日ギリシャ中央銀行総裁から飛び出した。その週末、クレディスイスの危機が生じ、ギリシャの銀行はどうかと問われて投資家に対して、こう保証した。

 投資家の懸念は銀行不安がユーロ圏の銀行に広がるのではないのかというものだ。銀行の株価は3月9日以降、沈みっぱなしで、かつ不安定なまま推移している。

 2007年~2009年にかけての金融危機の際、ユーロ圏の大手銀行はECBの監督下に置かれた。ルールが厳格化された結果、銀行のビジネスは退屈になったが、強靭になった。

 しかし今や、新たに3つのリスクが表面化している。

 もっとも即座に対応すべきが流動性逼迫だ。9月の段階で、欧州の銀行が保有する流動性資産は銀行預金に対して150%の水準を優に超えていた。しかし、SVBの預金流出のスピードをみると、この規制水準は甘すぎたようだ。

 幸いなことに、大半の預金は家計によって保持されている。同時に、欧州にはアメリカのような深さとアクセスのよいマネーマーケットが存在した。

 欧州銀行にとって2つ目の脅威が資産の劣化だ。今のところ、この危険は管理可能であるかのように見える。

 3番目は借り手が返済に失敗しそうなことだ。

 https://www.economist.com/finance-and-economics/2023/03/30/european-banks-and-the-price-of-safety