晴れ。肌寒いが、今日は良い天気になりそうだ。
トップニュースはやはりキプロス。100億ユーロの支援案が決まり、ECBのキプロス銀行向け流動性の供給も存続する。最悪の事態は免れた。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/68c9c18e-955e-11e2-a151-00144feabdc0.html#axzz2OVK18Rlz
銀行課税は見送りとなったが、キプロスの2大銀行における大口預金者は損失を被ることになる。合意案は非常に負担の重い内容だが、キプロスの大統領は「キプロスの展望を守るものだ」と評価した。
マーケットは今回のキプロス合意案に、将来の銀行救済パターンを見出そうとしている。合意案を受けて、ユーロは米ドルに対して1%下落し、ユーロ圏の銀行株価も大きく下落した。
この記事がまとめているように、銀行が破たんした場合に、預金者ではなく、納税者の負担で処理する前例とならなかった。欧州債務危機が起きてから3年が経過した。循環的に危機がやってくるが、その際の対処法として、安易に納税者のお金に頼らない処理方法へ、ようやく転換しようとしている。危機の深刻度合や規模が、納税者の資金に頼らなくても処理できたからだとも言える。
次の記事は、「キプロス国民はとうとう苦い薬を飲みこんだ」と書いている。そして、展望のない未来に直面し、キプロス国民は、ドイツという巨大な力に屈せざるを得なかったことに不満を抱いている。
キプロスの新聞で、メルケル首相はフン族のように描かれている。底流にあるのは、キプロス国民のアンチドイツの感情だ。これはギリシャやイタリアにおいても感じられた。
ドイツを責めるのは酷な面もある。しかし、最近の欧州の政治において、最大のテーマは大きくなる一方のドイツの力だ。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/d7b06c70-953f-11e2-a4fa-00144feabdc0.html#axzz2OVK18Rlz
ユーロ誕生の経緯に始まり、ユーロが目指した理想と異なり、「ドイツの欧州」になろうとしている現実を描写している。