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マイナス金利債の消滅

 快晴。インフレが起き、世界中に出回っていたマイナス利回りの債券が11兆ドルほど消失した。

 今年、各国の中央銀行タカ派的な姿勢に転じたことで、マイナス利回りの債券の時代が終わりを告げようとしている。マイナス利回りをつけた債券は11兆ドルほど減少しそうだ。

 今年の債券価格は低迷している。中央銀行が資産の大きさを縮小し、金利を引き上げているからだ。その結果、ここ数年でもっとも高い利回りに多くの大国がなっている。

 その結果、2.7兆ドル相当の債券のみがマイナス利回りで取引されている。これは2015年以降としてはもっとも少ない水準である。このマイナス利回り債の消失は、大手投資家にとって「正常」が戻ってきた節目だとも言える。

 中央銀行はインフレショックに先手を打とうとしている。その結果、債券市場は金利を通じて大きな調整に直面している、と大手投資家のマネージャーは語る。

 マイナス利回りの債券は思いもつかない事例だとみられてきた。しかし、その後世界の市場に定着することになった。マイナス利回りの債券は、満期まで投資家が保有し続けると損をするというタイプの債券となる。中央銀行が利回りを底の底まで維持し続けるとの見方が背景にある。

 しかし、ここ数カ月間でこうした経済の見方が大きくシフトした。特にユーロ圏で激しい。ECBは木曜日に再び債券買取プランを年内に終了すると発表した。投資家は2014年以降続いてきたマイナス金利政策が12月までに終了すると受け止めている。

 この極超低金利は、債券投資家にとってもろ刃の剣であるという。一方で人々は債券を保有し続けることによる損失を気にし続ける。しかし、プラスの利回りは将来のリターンがよりよく見える。

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