英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

浮上するインフレ懸念

 米国の長期金利は財政刺激策を背景に、過去1年間でもっとも高い水準を更新している。

 30年債の利回りは2%に到達した。政府支援策により、燃料価格の上昇が見込まれている。

 https://www.ft.com/content/b2aecfe3-ee85-4d1d-aa21-597d3c40a3f9

 米国内では早くもインフレに対する懸念が浮上している。だが、Fed高官は景気刺激策がもたらすインフレリスクについて、受け流す姿勢を示している。

 景気刺激策が今年、あまり好ましくないインフレ率の上昇をもたらしかねないとの懸念について、Fedは受け流す姿勢のようだ。

 リッチモンド連銀のバーキン総裁はFT記者の取材に、短期的には物価の変動があるかもしれないが、インフレリスクと同時にデフレリスクもあると述べた。多くの人々が依然として失業状態にあり、そうした人々への支援が必要であるとしている。

 インフレ懸念が飛び出したのは先週、サマーズ氏がインフレ懸念に言及したからだ。イエレン財務長官はインフレ懸念を退けている。

 https://www.ft.com/content/69e9f325-1450-4a49-95e3-6bcf4e3cf5f3

 サマーズ氏のインフレ懸念発言。サマーズ氏は1.9兆ドルの財政刺激策について、悪いインフレ率上昇のリスクがあると警告している。

 バイデン政権と民主党は財政刺激策に乗り出そうとしているが、思わぬ身内から反論が飛び出している。

 反論の主は、クリントン政権で財務長官を務めたサマーズ氏だ。オバマ政権では経済政策アドバイザーの長を務めた。バイデン政権の財政刺激策は過剰なもので、今後10年にわたって続くインフレ圧力を高めかねないと述べた。その結果、ドルの価値や金融の安定性に影響を及ぼしかねないという。

 サマーズ氏の疑念はワシントンポストの論説欄に投稿された。このサマーズ氏の警告に早速政権内外から反論が飛び出た。2008年~2009年当時の「失敗」を思い出させたのだ。

 バイデン政権高官は、雇用市場の回復が停滞しているときに、過熱を心配するのはばかげたことだ、と批判した。

 https://www.ft.com/content/2ed793d2-fb65-4ec7-9b4c-5851b2c780f3