晴れ。
米議会下院は1.9兆ドルにのぼる財政刺激策を可決した。1人1400ドルの小切手給付や失業給付、地方政府向けのファンド創設などを含んでいる。
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債券自警団が帰ってきた。かつては世界中の市場をうろつきまわり、財政上の正直さを隠そうとしている国々を探し回る債券自警団が賞賛されていたこともあった。その自警団が再び帰ってきた。
1980年代にエコノミストのヤルデニ氏が名付けた、債券の売りがいかに中央銀行や政府の手を縛り付けるか、ということに象徴される。
過去20年間、自警団の姿はほとんどみられなかった。インフレ率が世界中で穏やかであり、利回りへの渇望が多くの債券投資家の規律を侵食してきた。金融危機以降、中央銀行は債券市場を量的緩和プログラムで覆いつくした。その結果、債券自警団の力を奪ってしまったのだ。
しかし、2021年に入り、債券市場に力強い変動が起きた。1%に満たなかった10年ものの米国債利回りは1.6%にまでジャンプしたためだ。
コロナウイルスが終息に向かいつつある中、世界中の多くの政府が大胆に行動することを約束している。その結果、債券自警団が再び登場しつつある。その自警団が経済回復を遅らせ、金融市場の過熱を不安定にする可能性がある。
いまや過剰な財政政策、過剰な金融政策の世界に突入しており、そのことが債券自警団が活発になるゆえんでもある。債券自警団の仕事は経済に法と規律を回復することである。中央銀行や政府に規則がなくなっている時期であるからだ。
いま世界で債券の売りが起きているのは、良い売りでもあるといえる。コロナウイルスは残っているが、財政刺激策とペントアップ需要の組み合わせは、経済成長の見通しを引き上げることになる。多くの人は、今や過去最大規模の経済ブームが起きつつあると予想している。
しかしながら、そのことが長らく点火していなかったインフレ圧力を強めることになるのではないかという懸念も存在する。インフレは債券にとって天敵である。
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