サウジアラビアは少なくとも3人の王族を逮捕した。サルマン皇太子による権力強化の動きが続いているとみられている。
逮捕者の中には、77歳になるサルマン国王の弟、アーメド・ビン・アブドゥルアジズ王子も含まれている。アブドゥルアジズ王子は、サルマン皇太子にとっての潜在的な敵とみられていた。
内務大臣を務めるナイーフ王子も逮捕された。
サウジの王族逮捕の一報はWSJが報じたが、サウジの外交筋はこの情報を否定していた。サウジ政府もコメントしていない。
サルマン皇太子はサウジの社会的、経済的改革を全土にわたって進めているが、保守的なサウジを近代化する試みは王族の間に亀裂を生んでいる。
サルマン皇太子の特徴は、批判を一切許さないという点だ。2018年10月にはイスタンブールでジャーナリストのジャマル・カショギ氏を殺害し、外交上の危機を呼び込んだ。
サルマン皇太子は、今年、G20の会合を控え、論争を避けている。
しかし、今回の王族逮捕によってサルマン皇太子の強権的なリーダーシップに対する一層の監視が行われる可能性がある。84歳であるサルマン国王から、徐々に王位継承を受けるという観測も持ち上がっている。
サルマン皇太子が3年前に急速に後継者として浮上したことで、伝統的なサウジアラビアの王位継承プロセスに衝撃が走った。
サルマン氏が皇太子に就任してから数か月後、彼は反腐敗キャンペーンの一環として300人以上の王族をリヤドにあるリッツカールトンに監禁した。大半の王族は解放されたが、多くは所有する現金と資産を国家に返還することを合意することを条件に釈放されたのだ。その金額は総額で1000億ドルにも及ぶという。
これによってサルマン皇太子の権力が固められ、彼はアンタッチャブルな存在になった。
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