英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サウジの新プリンス

 晴れ。
 サウジアラビアの皇太子に就いた、MBSことムハマド・ビン・サルマン氏についての特集記事である。自身、改革者と称する31歳の新皇太子がいかに権力を握ったかのドラマを垣間見ることができる。
 前の皇太子であるムハマド・ビン・ナイフ氏は、長いあいだ米国の情報機関から信頼を得、米国とサウジとの関係において決定的に重要な人物であった。しかし、今回の新皇太子選出でナイフ氏のキャリアは終わったと周囲は述べる。「もしMBSにキスをされたら、キスをされた者には何か悪いことが起きる」のだといわれている。
 6月21日に2人の皇太子が出会ったあと、宮廷はMBSが新皇太子につくと発表した。その後、ナイフ氏は公的な場から姿を消した。ナイフ氏は退位させられたようだ。
 しかし、彼が退位する理由は非常に機密に属する情報であり、誰もそれを後悔する権限を持っていないのだという。
 新皇太子に任命は、世界でもっとも豊かで、秘密に満ちた国における権力の再分配を意味する。
 MBSは近年、大胆な変化の約束を果たしてきた。サウジ経済と文化の近代化と公開を進めている。サウジアラムコの上場のほか、トランプ氏率いるホワイトハウスと緊密な関係を築いている。
 対照的にナイフ氏はより保守的な外交政策を支持するサウジの王子たちのあいだで幅広い支持を得ていた。
 サウジウォッチャーのあいだでは、この経済自由化が政治的かつ文化的な自由化につながるのではないかと期待を表明している。MBSの計画の中には、女性の労働市場への参画と教育レベルの向上があげられている。
 さらに、6月にはカタールとの亀裂をどうするか、議論が始まった。亀裂は王子たちのあいだでも生じた。年配の皇太子は外交的な解決を望んだ。しかし、MBSはよりタカ派的なスタンスを採用した。
 国王の健康問題も浮上する。高官は81歳の国王の健康は良いと述べている。
 https://www.wsj.com/articles/how-a-saudi-prince-unseated-his-cousin-to-become-the-kingdoms-heir-apparent-1500473999