曇り。
世界的なIPO市場の落ち込みによって、公的な市場が縮小するという懸念が沸き上がっている。貿易戦争や世界的な経済見通しの悪化が影響している。
今年2019年は、IPO市場が大きく落ち込んだ。世界の株式市場であまり多くの企業が資本を調達しなかったのだ。
株式市場自体は上昇したのにも関わらず、新規上場する企業の数は20%落ち込み、1237社となった。これは過去3年間でもっとも少ない社数である。上場した企業が調達した資金は、1888億ドルで、これまた2018年とくらべて10%落ち込んだ。
IPOの落ち込みは、公的市場にまつわる危機的な要因の組み合わせでもある。過去20年間、上場市場は縮小した。その一方、私的な市場が書くあぢした。プライベートエクイティやベンチャーキャピタル市場だ。
アリアンツのエラリアン氏は、振り子は過度に私的市場に触れている、と指摘する。しかし、その振り子を公的市場の方へ戻すのは難しい、という。
公的市場が2019年に受けた挑戦のハイライトとなったのは、ウーバーのケースだ。ウーバーは5月に上場した後、3分の1に株価が下落して苦しんでいる。ウィーワークも株式市場への上場を中止し、マーケットに衝撃を与えた。
EMEA市場、すなわち欧州、中東、アフリカ市場も今年大きく下落した。ブレグジットを決めた英国のロンドン株式市場は、実に62%もIPO数が減った。
今年のトップ3の1位はサウジアラムコの国内市場への上場。次がウーバーで、3位は香港市場に上場したバドワイザーAPACだ。
https://www.ft.com/content/5612b394-267e-11ea-9305-4234e74b0ef3