晴れ。
ソフトバンクの最大の問題点をずばり指摘した記事。良いレポートである。
1000億ドルにのぼる孫氏のビジョンファンド。その運営の透明性や説明責任が問われている。
ほぼ2年前、孫正義氏はテクノロジー企業を支援するための新しい投資ビークルの規則を破った。ビジョンファンドと名付けたビークルは普通のやり方と大きく異なっていた。1000億ドルの資産規模はあまりに巨大であった。このうち、450億ドルはサウジアラビアのサルマン皇太子が拠出した。そして、投資は時のトレンドであるユニコーン企業に投資する。ユニコーン企業とは、ウーバーのように10億ドル以上の企業価値のある非上場企業である。そして、ファンドの運営はほとんど孫氏が握った。
多くの批判者は、ビジョンファンドが巨大な腐敗マネーを落ち着かない投資先に投資していると批判した。その批判は昨年10月までに正しいことが分かった。サウジアラビアのジャーナリスト、カショギ氏の殺害事件が起き、サウジへの批判とともに、ビジョンファンドも悪評にさらされた。
しかし、こうした悪評も落ち着き、孫氏は再び元の道を歩み始めているようだ。カショギ氏の事件は忘れ去られ、テクノロジー株も再び上昇しつつある。そして、孫氏はビジョンファンド2号の立ち上げを計画している。孫社長は間もなく、世界のソブリンウェルスファンドや年金基金などの投資家訪問を始める。
しかし、こうした他人のお金を預かる巨大投資家は脇を固めるべきだ。サウジのファンドPIFからの資金は滞っているようだ。その理由はカショギ氏の事件だけでなく、PIFそのものがビジョンファンドのガバナンスを懸念しているからだ。
外部からみると、第一の問題はキーマンリスクがある。何に投資するか買っていする場合、孫氏の意向は絶対である。ビジョンファンドには3人から成る投資委員会があるが、孫以外の2人は孫氏の従業員である。
第二の問題はソフトバンクとビジョンファンドの潜在的な利益相反だ。ビジョンファンドが投資するまでに時間がかかっている場合、孫氏はソフトバンクのバランスシートを使って、若い投資先企業をいったん抱え、その後、ビジョンファンドに移すようなことをしていた。たとえば、中国のライドシェア会社、Didiに投資したような場合、ソフトバンクは巨額の利益を得た。
https://www.economist.com/leaders/2019/03/23/the-vision-fund-needs-more-governance
ビジョンファンド2号立ち上げの記事。
ビジョンファンドのプロジェクトは、シリコンバレーにおけるVCのコスト高の世界をひっくり返した。
そして、ソフトバンクはビジョンファンド2号の立ち上げに動きだした。条件やファンドの仕組みについて、まだ最終化していないが、いろいろな選択肢が検討されている。
1号ファンドは25~30パーセントの資産価値増加を2月末時点でもたらした。ファンドにはPIFが450億ドル、ソフトバンクが280億㌦、ムバダラが150億ドルをそれぞれ拠出している。
直近の6か月で投資した4つの大きな事例が典型的である。すべてオンラインビジネスで、一つは20億ドルを投じた韓国のオンラインリテーラー、Coupangだ。