曇り。
シティグループもデジタル銀行に大きく舵を切っている。従来型の店舗網を、アメリカの消費者は最終的に捨てる用意がある、とシティ幹部は確信している。
金融危機後のスリム化した数年間で、シティグループは銀行業の未来について国際的とは言えない投資を行っている。バンカメやJPモルガンチェースは、全米の支店を通じて安価な預金を集めている。しかし、シティはその足場を縮小させ、一握りの大規模都市に支店網を集中している。
そして今になり、シティ幹部はデジタル銀行に集中している。今年の第1四半期において、デジタル銀行を通じておよそ10億ドルの預金を集めた。前年同期にはほとんどこの金額は存在しなかった。
そして、この預金の3分の2は、まったく新しい顧客からの預金である。そして、全米で700に及ぶ支店の近辺に住んでいない人々が少なからず預金している。
ここ数か月間、シティは消費者部門を再編した。銀行とカード部門の壁を取り払ったのだ。
他社もシティグループのようにデジタル戦略を推進しているが、それは既存の巨大な店舗網を前提とした展開である。
昨年、バンカメやJPモルガンの消費者金融部門のROEはシティのそれを上回った。高利回りのオンライン口座に預金者を集めることに成功しているが、店舗網へのアクセスのない顧客と関係を築くことは難しい。
アクセンチュアが2018年に調査した結果によると、米国の銀行顧客の84%が1年に一度は銀行店舗を訪問している。50%未満の顧客は毎週か毎月、訪問している。一方、44%の顧客は銀行のモバイルアプリを利用したことがないという。