Fedの金融政策戦略が変わろうとしている。
Fedの金融政策をめぐる政治的な議論が、長らく経済以外の要因をあまり考慮せずに政策を決めてきた長い伝統を変えようとしている。2人の新しい投票メンバーが加わっても、大きなFedの政策決定過程は変わりそうもない。しかし、Fedが現在進めている大きな金融政策戦略の見直しは影響しそうだ。
金融政策の見直しは時宜にかなったものであり、かつ必要な動きでもある。しかし、見直しの結果によっては金融政策が直面している深刻な問題に対処するの十分ではないかもしれない。
今回の金融政策の見直しが起きているのは、将来リセッションが起きた時に、2つの目標を達成できなくなるかもしれないという懸念からだ。それは、ゼロ金利いかに下げることができないというFF金利が、次の景気後退期に有効なツールとなりえないのではないか、という関心からきている。レビューの結果、Fedはインフレ目標を超過することを意図的に要因することもありうる。しかし、それは恒久的にインフレ目標そのものを高くする大胆なアイデアほどではない。
現在のFedの政策は、FFレートをインフレ率が2%になり、失業率が2~3年で自然利子率と整合的になるような水準に設定している。しかし、インフレ率は1990年代半ば以降、2%を下回って推移している。そして、経済的ショックはインフレ率を2%より上回らせるどころか、たびたび下回らせることに寄与している。