英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

欧州の報復関税

 快晴。春日和の天気。
 トランプ氏は今度は欧州製の車に関税を課すと脅している。貿易をめぐる各国の緊張は過熱するばかりだ。もし米国の鉄鋼関税に欧州が報復するのであれば、大統領はペナルティを課すと脅している。
 トランプ大統領は自身が宣言した鉄鋼とアルミニウムの関税が引き起こした貿易戦争に対し、掛け金を釣り上げている。欧州が報復措置をとるのであれば、欧州製の自動車輸入に関税を課すというのだ。
 しかし、トランプ氏がツイートで示唆するように関税を課すのはそれほど簡単ではない。欧州自動車メーカーは米国で多数の雇用を生んでいる。アラバマサウスカロライナ、テキサスなどで工場を運営している。BMWサウスカロライナ工場はSUVを製造しているが、少なくとも70%は輸出に回している。
 今回の発端はトランプ氏が木曜日に鉄鋼とアルミニウムの関税を打ち出したことだ。しかし、エコノミストらは、関税をWTOを通じてではなく、一方的に課すことは問題があると懸念している。
 欧州側は金曜日にトランプ発言へ反応した。鉄鋼関税には報復を課す可能性を示唆したのだ。ハーレー製の二輪車からバーボンウイスキー、デニムジーンズまで幅広く影響を受けそうだ。もし欧州が報復関税を実行すれば、特にケンタッキー州に政治的な衝撃を与える可能性がある。同州は共和党上院議長のミッチ・マコネル議員の地元であるからだ。ライアン下院院内総務の地元でもある。
 特に自動車における関税の影響は大きい。世界貿易において相当な比重を占めるからだ。米国はドイツの自動車を2017年に205億ドル輸入している。自由貿易協定を結んでいない国からの乗用車に関しては、2・5パーセントの関税を課している。ピックアップトラックは25%だ。一方、EU輸入車には10パーセントの関税を課している。
 https://www.wsj.com/articles/trump-threatens-to-tax-european-car-imports-1520110549
 フランスの大手保険グループ・アクサが大型買収を計画している。バミューダを拠点とする、動産と損害保険会社、XLグループの買収である。時価総額は110億ドルを超える。今週にも取引が正式に発表されるという。
 今年に入り、AIGグループが56億ドルの取引を発表した。日本のソフトバンクもスイス再保険の30パーセントを取得することで話し合っている。
 買収活動は特に再保険分野で活発化している。低金利が長引き、長期の収益性が脅かされているからだ。
 https://www.ft.com/content/74ee136a-1f16-11e8-a895-1ba1f72c2c11