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なぜサウジに投資するのか

 曇り。連日すっきりしない日が続く。

 トランプ大統領がジャーナリストの行方不明事件の反響についてサウジアラビアを警告した。大統領は、もしリヤド政府がカショギ氏を殺害していたとすれば、サウジアラビアに対し、厳しい懲罰を与えると約束した。

 カショギ氏は先週、イスタンブールにあるサウジ領事館に入った後、行方不明になっている。CBSのインタビューに答えた大統領は、米国政府も行方不明事件を調査していると述べ、もしサウジの皇太子が殺害を指示していたのかと問いかけ、サウジ側は否定していると説明した。

 サウジ側は領事館を出た後、行方不明になったと説明しているが、トルコ政府もカショギ氏が領事館内部でサウジ政府の要員に殺されたのかどうか、調査を続けている。この行方不明事件は、国際的な怒りを呼び起こしている。

 そして、リヤド政府が主導する投資会議から引き上げる動きも出ている。サウジビジネスから距離を置き始めている投資家としては、リチャード・ブランソン氏やウーバーなどがある。しかし、米国のムニューシン財務長官は会議に出席する計画だ。10月23日にリヤドで開催予定である。

 トランプ氏は、やがて事実が明らかになるだろうと述べ、リヤド制裁の選択肢を検討していると述べた。ただ、リヤド政府との武器売却交渉は、貿易企業を害することになるので、そのキャンセルはためらっていると述べている。

 https://www.ft.com/content/3cf6de70-cef6-11e8-a9f2-7574db66bcd5

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 カショギ氏は長らくサウジ政府の近くで見聞を続け、ここ1年以上は米国に亡命状態にあった。ムハマド・ビン・サルマン皇太子について、イエメンで血で血を争う戦争を仕掛け、国内では慈悲なき取り締まりを実行していると非難していた。

 カショギ氏は事が起きる前に、何かが起きると予感していたようだ。恋人には、2台の携帯電話を私、何か問題が起きたときにだれに電話をかけるか、指示をしていた。サウジアラビアは、裏口からカショギ氏が出ていったと主張しているが、出ていった記録はない。トルコ政府の匿名の通報によると、拷問と殺人の疑いが出ている。

 アラブ世界でもっとも有名なコメンテイターの一人が行方不明になった事件は、トルコとサウジアラビア関係を一層悪化させることになった。そして、サウジアラビアの次期トップであるムハマド皇太子にとって、転換点となる出来事だ。

 ムハマド皇太子はサウジを改革すると国際的な投資家や西側諸国の首脳たちに約束していた。そして、今月下旬には「砂漠のダボス会議」と称する会議でホスト役を務める予定だった。

 今回の事件が起こる前に、サウジアラムコの上場が延期となり、世界の銀行から110億ドルの資金を借り入れる予定だったが、この国が実際にどこへ向かうのか、投資家に明らかにすることになった。投資家にとっては、新たに問いただす質問が加わった。なぜサウジに投資するのか、と。

 サウジの富裕層の間では、資産をサウジ国外に移す動きが出ている。

 最大の謎は、カショギ氏に起きたことではなく、なぜ彼が狙われたかだ。欧州の外交官によると、カショギ氏はサウジ政府にとって、それほど危機的な存在ではなかったというのだ。

 https://www.ft.com/content/0d56d904-cd70-11e8-9fe5-24ad351828ab

 これはニューヨークタイムズ

 https://www.nytimes.com/2018/10/13/world/middleeast/saudi-arabia-conference-crown-prince-mohammed.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage