英字紙ウォッチング

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ハリリ氏の謎の旅

 エコノミスト誌より。レバノンのハリリ首相が辞任を撤回した。
 3週間もしないうちに、政敵が自分を殺そうとしていると述べたレバノンの首相、ハリリ氏は、随分とくつろいでいるようにみえた。11月4日に突然の辞任を表明して以降、初めて自国で公の場に姿を見せた。ハリリ氏は笑顔と冗談を大統領と交わしていた。11月22日にベイルートで行われた独立記念式典でのことだ。
 パレードのあと、ハリリ氏は辞任をいったん延期することを決めたと述べた。数千人もの支持者が集まるベイルートの住居の外に立ち、ハリリ氏はレバノンに留まると約束した。
 ハリリ氏の勝利帰国は謎に満ちた旅に終わりを告げるものだった。最初は、ハリリ氏がリヤドに飛び立ったことから始まった。これは通常のことではなかった。ハリリ氏はサウジとの二重国籍を持つ、スンニ派のアラブ人である。そして、サウジ体制側からの支援を受けていた。
 しかし、次の日に、彼は辞任を通常にない熱心な言葉を交えて突然表明した。彼はサウジのライバル国であるイランを、地域を破壊するとして非難した。
 彼の辞任は、イランがレバノンに及ぼす影響を和らげようとする、サウジによって企画されたものと幅広く解釈された。イランはシーア派ヒズボラを支持しており、ハリリ政権の一部をなしている。
 その後、ハリリ氏は突然公衆の面前から姿を消した。レバノン側はサウジがハリリ氏を拘束したと非難を行った。再び公衆の面前に登場した際、ハリリ氏は、レバノンはとくにイエメンにおける戦闘に関与すべきでない、と主張した。こうした要求を無視するのなら、サウジとその湾岸同盟国がレバノンに制裁を課するだろうと示唆した。
 https://www.economist.com/news/middle-east-and-africa/21731602-saad-hariri-comes-home-last-ending-bizarre-odyssey-lebanons-prime-minister