英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ドイツ問題

 ECBの6月会合の議事要旨が公表された。QE手仕舞いにあたって内部で議論が交わされていることがわかる。
 https://www.ft.com/content/daf7fa60-622c-11e7-91a7-502f7ee26895
 トランプ氏とメルケル首相の会談。ドイツで初めて会談した。貿易や気候変動問題についての両者の違いを埋めようと妥協しようとしているメッセージを発した。ハンブルグにおけるG20サミットの前夜のことである。
 https://www.ft.com/content/a195763c-627f-11e7-91a7-502f7ee26895
 エコノミスト最新号が興味深い。特集はずばり、ドイツ問題。ドイツの経常収支黒字がいかに世界経済にとって害悪となっているのかを説いている。
 いくつかの戦闘ラインが引かれている。今週、世界の貿易諸国がG20サミットで集まる。保護主義的な米国と自由貿易派のドイツが衝突する舞台が用意されている。
 トランプ大統領はすでに一つの貿易協定、TPPから離脱を表明した。そして、NAFTAについては再交渉を要求している。米国に輸入される鉄鋼に関税を課すかどうか検討しており、これは報復の連鎖を招きかねない。
 貿易戦争の脅威は1月にトランプ氏が就任して以降、常に存在している。それとは対照的にメルケル首相は、自由貿易のドラムを鳴らしている。6月29日に行ったメルケル首相のスピーチは、かすかにトランプ氏を攻撃する内容だった。
 どちらの議論がより良いものなのか、疑問を投げかけるまでもない。トランプ氏の貿易に関する主張は、経済学的には意味のないものだ。彼の関税に関する信念は、ナイーブであり、危険ですらある。
 しかし、通例ではない意味において、トランプ氏は真実を突いている。彼はドイツの貿易黒字を批判しているのだ。昨年その額は3000億ドルに達する。これは中国の2000億ドルを抜いて世界最大である。彼の解決法は破滅的だが、ドイツの貯蓄が過剰であることは事実である。
 そして、その規模と持続性は自由貿易を擁護するうえで脅威になりかねない。
 http://www.economist.com/news/leaders/21724810-country-saves-too-much-and-spends-too-little-why-germanys-current-account-surplus-bad