英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ゴマすり安倍首相

 米国に影響を及ぼそうと世界の首脳たちがトランプ氏にゴマすりを行っている。しかし、大統領のエゴをいかにくすぐろうとも、結果は保証されず、逆に国内で反撃に遭う危険性もある。
 冒頭に掲げられた写真は安倍首相とトランプ氏が握手する写真で、ゴマすりの筆頭に安倍氏が掲げられているということか。何とも恥ずかしい。
 昨年11月にトランプ氏が中国を訪問した時に、これまで禁じられていた都市への訪問を個人的に認められた。中国がレッドカーペットをしまうまで、トランプ氏は貿易に関して中国に要求することを忘れていたという。
 世界のあらゆる首脳が、この習主席のトランプ接待と同じようなことを考えている。このケースに倣うのであれば、ゴマすりはトランプ氏に効果があるということになる。
 韓国の文大統領は、トランプ氏こそノーベル賞にふさわしい、と持ち上げた。これはオバマ前大統領が、彼がやったことではなく、やろうとしたことについてノーベル平和賞を受けたことに似ている。
 日本の安倍首相も同様に、人目を引くような贈り物をしている。2回のマーラーゴ訪問のうち、最初の訪問では、金のゴルフクラブを贈った。
 オバマ政権時代のアジア首席補佐官のカート・キャンベル氏は、火山にフルーツいっぱいのバスケットを持っていく、酋長のようだ、と述べた。火山の爆発を防ぐ最良の方法は、ゴマすりであるかのようだ。
 しかし、逆に通行料を支払うことをよしとしない首脳は、冷たい肩透かしを食らっている。ドイツのメルケル首相、彼女はゴマすりができない首脳であるが、あるいはトランプ氏とケミストリーが合わないイギリスのメイ首相らが典型である。それは、フランスのマクロン大統領が歓迎に満ちた状態で受け入れられたのとは対照的である。
 安倍首相の場合、ゴマすりの限界を示すより厳しい教訓を提供している。安倍首相は鉄鋼とアルミニウム関税が適用されるのを除外とすることに失敗しただけでなく、国内での政治的失敗に苦しめられている。
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