英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ユーロ官僚への反感

 クルーグマン教授がフランス大統領選挙について考察している。もしマクロン候補が勝利すれば、欧州のエリートたちは誤った教訓を学んでしまうかもしれない。
 ルペン氏の勝利は欧州と世界にとっての災厄である。しかし、ここで立ち止まっていくつかの疑問を考えてみたい。ルペン氏の敗北は、進行中の欧州危機が一時的に執行停止になるに過ぎないのだろうか。
 まず、フランス経済は相対的にうまくいっている。米国の急進派の夢を越えて、社会的なセーフティネットをフランスは提供している。それなのに人々の多くはなぜ、人種差別主義者に投票しようとしているのだろうか。
 一つはイスラム圏移民に対する文化的な不安がある。さらに、ルペン氏に投票しているのは、欧州連合を運営しているエリートたちへの反感もある。欧州危機に対処してきた欧州連合の幹部たちは、傲慢さの塊だった。
 すでに欧州官僚たちによる災厄の兆しが見え始めている。欧州と英国とのあいだの交渉だ。ギリシャとの交渉時に見せた傲慢さは、より豊かでプラウドの高い英国との交渉でうまくいくはずがない。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2017/05/paul-krugman-whats-the-matter-with-europe.html