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NAFTA再交渉のゆくえ

 NAFTA再交渉は、そのスケジュールをみると、メキシコの交渉力を低下させそうだ。交渉期間が来年予定されている選挙と重なるからだ。誰が大統領選挙に勝利しても、交渉が否定されるリスクがあるからだ。
 メキシコ高官は彼らとしては、交渉を年末までに終わらせたいと話している。しかし、交渉の観察者たちは、その目標は楽観的で、来年までかかるとの見通しを示している。メキシコでは2018年7月に大統領選挙が予定されている。
 現職のペニャニエト大統領はレームダック状態にあり、議会の支持を得るには問題を抱えている。それゆえに、米国政府との妥協し、議会で支持を得るのは難しい。
 金曜日にウィルバー・ロス商務長官は、今後数週間のうちに、NAFTA再交渉の政権としての考えを議会に伝えたいと述べた。正式な交渉開始は7月までに始まりそうだ。
 交渉は来年後半まで伸びそうだ、というのが専門家の見方である。メキシコ通貨ペソはより下落し、それが対米黒字を増やす悪循環を引き起こす可能性がある。
 NAFTA再交渉は、他国にとっても他人事ではない。トランプ政権はこの交渉を二国間交渉の原型にしようとしているからだ。日本や英国に影響を及ぼす可能性がある。
 しかし、米国にとってもNAFTA再交渉はリスクがある。2018年には中間選挙を控え、議員の何人かはNAFTAを変えることに消極的だ。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-signals-nafta-talks-could-start-as-soon-as-late-june-1489161050