曇り。
共和党の大物ポール・ライアン氏がトランプ氏擁護をあきらめた。相次ぐトラブルや失言にさじを投げた格好だ。
共和党内部ではトランプ氏支持を続けるかどうかについて議論があったが、月曜日になって公の場所に議論が移された。共和党議長のポール・ライアン氏が月曜日、同僚議員たちに対し、トランプ氏を守らないと述べた。トランプ氏支持を撤回するとは言っていないが、トランプ氏に対する怒りをあらわにした。選挙まで4週間しかない時点で候補者を傷つけるようなリスクをあえておかした。
ライアン議長の発言はトランプ氏がキスや女性の身体を同意なしにまさぐることについて話しているビデオが公表されて数日後のことだった。
このビデオの公表によって、幾人かの共和党幹部がトランプ氏支持を否定した。クリントン氏には大きくリードを広げられている。共和党員にとってこの暗くなるような絵は、彼らが上院どころか、下院においてもマジョリティをこのままでは維持できないのではないかという危機感がある。月曜日の言葉の応酬は、共和党がかつてないほど分裂し、展望を持てなくなっていることを示している。
ライアン議長の発言は共和党の一般議員やトランプ氏自身に反響を巻き起こしている。トランプ氏はツイッターで早速反応している。「ポール・ライアンは予算をバランスさせることや雇用、不法移民の問題により多くの時間を使うべきだ。共和党候補者と戦うことに時間を浪費すべきでない」と述べている。
ライアン議長がこのような発言を行った動機ははっきりしている。最新の世論調査によると、トランプ氏は35%の支持率に対し、クリントン氏は46%と、11%ポイントの差をつけられている。ライアン議長がより懸念しているのは、議会をどの党が支配すべきか、という問いに対する答えだ。ライアン議長としては、クリントン大統領を前提に、議会での多数維持が最優先の課題となっている。
しかし、日曜日夜に行われた2回目の討論会は、トランプ氏に忠実な支持者に満足を与え、離反の動きを食い止める効果がありそうだという。
http://www.wsj.com/articles/house-republicans-seek-proper-response-to-donald-trump-video-1476112495
クルーグマン教授。共和党の政治家に性的なスキャンダルが相次ぐのはなぜかを問うている。それは構造的な問題であると。
http://www.nytimes.com/2016/10/10/opinion/predators-in-arms.html?partner=rss&emc=rss&_r=1