英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

オバマの夜

 また一人、戦争の生き証人が去っていく。
 ホロコーストの生き残りでノーベル平和賞の受賞者、エリ・ヴィーゼルがなくなった。87歳だった。
 http://www.wsj.com/articles/nobel-laureate-holocaust-survivor-elie-wiesel-dies-at-87-1467492558
 これは良い記事である。
 深夜になって、オバマ大統領は一人孤独な夜を過ごしている。一日5時間以上寝ることはない。
 「まだ起きているかい?」
 eメールはたびたび深夜1時すぎになって届く。セキュリティのかかったブラックベリーからだ。そして、そのメールアドレスはわずか数人の人間しか知ることはない。そして、仕事で疲れきった部下たちは、ボスがまだ寝ていないことを知る。
 オバマ大統領は自分自身のことを「夜の男」(night guy)と呼んでいる。たいてい6時半に妻や娘たちと食事をとったあと、ホワイトハウスの住居棟にある部屋で4から5時間、一人で過ごす。
 スピーチを書き、午後8時にスタッフによって配られる大量のブリーフペーパーを読む。そして、毎日、スタッフが選んだ国民からの手紙を10通ずつ読む。
 時折、ミシェル夫人が立ち寄ることはある。だが、オバマ氏にとって、一人の時間は何よりも重要なのだ。
 過去の大統領と比べると、ジョージ・ブッシュ大統領は10時にはベッドに入った。ビル・クリントンオバマと同じように夜遅くまで起きていた。しかし、クリントン氏は電話で友人や政治的同僚と長話することを好んだ。
 我が国の首相は、思索と自己省察のにじみ出る、このような夜を過ごしているのだろうか。
 http://www.nytimes.com/2016/07/03/us/politics/obama-after-dark-the-precious-hours-alone.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=second-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
 ビル・クリントンの誤判断がヒラリー候補の命運を分けることになるかもしれない。司法長官とのやり取りが疑惑を呼んでいるからだ。
 6月になって、ヒラリー・クリントンはいよいよ民主党候補としての地位をほぼ確定した。
 次の焦点は副大統領候補である。トランプ氏はクリス・クリスティー氏かニュート・ギングリッチ氏を選ぶ可能性がある。しかし、2人とも世論の支持率は低い。
 一方クリントン候補も悪材料が出ている。700日と700万ドルを費やした報告書に加えて、リンチ司法長官と夫であるビル・クリントン氏がかわしたやり取りが疑惑を呼んでいるのだ。後者はとくに嵐を呼ぶ可能性がある。
 リンチ長官自身、空港でビル・クリントンを30分間話したことについて、こんにちはといい、夫や私自身、孫の話、旅行の話などをした、と述べている。
 http://www.newyorker.com/news/daily-comment/bill-clintons-bad-judgment