英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

クリントンスキャンダル

 快晴。
 ニューヨーカー。クリントン候補のEメール問題を取り上げている。
 クリントン陣営がたびたび非難されている不正行為と、実際に手を染めた不正行為との間には大きな差がある。今週注目を浴びた2つのクリントンスキャンダルは、その差を示している。
 もっとも典型的な陰謀理論家であるトランプ氏は、ビル・クリントン大統領時代のホワイトハウス顧問だったビンス・フォスター氏が1993年にうつ病を患った後自殺を図ったことを引用し、クリントン一族を守るために実際は殺されたのだ、と主張している。トランプ氏が好む右翼の陰謀理論によると、クリントン一派はこれ以外に多くの直接的、間接的な殺人を手掛けているというのだ。
 いやはや、こんな主張をしている人間が大国のトップに就くかもしれないという感じだが、ここでの問題はトランプ氏ではない。今週ヒラリー・クリントン氏につきまとったのは、クリントン氏が国務省時代に個人的なEメールのアカウントを使用していたことの適切さを調査している国務省の首席調査官からきている。
 調査官による83㌻からなる報告書をみると、これまでに出た中でより包括的な政府の調査だ。
 42ページ目に報告書の結論が出ている。電子的記録や電子的コミュニケーションに関するシステミックな弱点は、1997年のオルブライト国務長官時代から始まっているというのだ。しかし、国務省はこうした脆弱性やサイバーセキュリティに関して、認識したり効果的な対応をとるのに出遅れていた。
 つまり、問題はクリントン氏個人の問題にとどまらないということだ。
 http://www.newyorker.com/news/daily-comment/a-very-clinton-e-mail-scandal?intcid=mod-most-popular
 これが調査報告書本体。
 https://assets.documentcloud.org/documents/2842460/ESP-16-03-Final.pdf