英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ヒラリーの戦い

 晴れ。今日は暑くなりそうだ。
 ウォールストリートの金融機関の報酬支払いに関して、新たな規制が提案されている。大手金融機関の幹部は、最大4年間、報酬の半分以上の支払いを先送りしなければならなくなる。対象となる「幹部」は万人単位になりそうだ。
 規制の狙いは行き過ぎたリスクテイクを防止することにある。
 考えてみれば、この記事にあるように、金融危機からもう10年が経とうとしている。
 http://www.wsj.com/articles/new-rules-curbing-wall-street-pay-announced-1461247600
 最新のエコノミストヒラリー・クリントンは米国経済を救えるのか、と題した特集である。より大胆な政策を打ち出す必要がある、と説いている。
 ニューヨーク州予備選挙クリントン氏はサンダース氏との連敗をストップさせ、民主党の大統領候補としてほぼ地歩を固めた。慎重なクリントン氏でさえ、勝利は見えたと宣言するほどであった。
 クリントン氏は経験豊富である。極端な主張が幅を利かす時代にあって、彼女は中道派の立場を保ち続けている。しかし、女性として初めて大統領になるかもしれないというのに、多くの民主党員たちの喜びは少ない。それどころか、国中が不平不満で満ち溢れている。
 クリントン氏はこうした人々のフラストレーションに対抗する大胆なプランを提示する必要がある。
 クリントン氏の経済政策を検討する前に、夫であるクリントン氏が1990年代半ばに進めた「クリントノミクス」を検討してみよう。クリントン大統領は税と歳出を使う政党から、財政赤字を真剣に考える政党に大きく転向させた。また、ビル・クリントン氏は、ウォールストリートや自由貿易と仲良く共存した。そして、社会福祉改革を大胆に行った。こうした政策の結果、高い経済成長と経済の反映を享受することができた。
 しかし、現代のアメリカはより一層分裂している。経済はより弱弱しく、問題含みだ。民主党自身も当時とは異なっているように見える。過去7つの州で勝利したサンダース候補は、ウォールストリートの銀行は犯罪的であり、アメリカの病理を解決する唯一の方法は、革命を始めることだと考えている。そして、多くの若い有権者が彼に賛成している。
 こうした事態に直面し、クリントン氏はどんなアイデアがあるのだろうか。彼女のプランでは、左派寄りの政策ではない。大学により予算をつぎ込み、12ドルの最低賃金を設け、インフラ投資を増やす。
 しかし、解決しなければならない問題と比べて、クリントン氏の解決策はあまりに弱弱しい。彼女の典型的な経済に関するスピーチは、グローバリゼーションと自動化の言葉は混ぜ合わさったものだ。
 http://www.economist.com/news/leaders/21697225-hillary-clinton-has-democratic-nomination-within-her-grasp-she-needs-bolder-ideas-what