英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

利上げリセット

 晴れ。
 昨夜の雇用統計はサプライズな結果となった。5月の新規雇用者数の増加数は3万8000人だった。5年ぶりの増加幅の小ささである。そして、重要なのは、50万人もの人々が労働力人口から落ちていることが大きい。Fedの経済見通しに暗雲を投げかけている。
 エコノミストらの事前予想では10万人以上の雇用者数の増加が見込まれていた。3月と4月の結果も下方修正された。
 5月の雇用成長率の弱さと3,4月の下方修正によって、過去3か月の平均月間雇用者数の増加幅は11万6000人となった。求職者の数が減少したことにより、失業率は4月の5パーセントから5月は4・7パーセントに減少した。 
 エコノミストの中には、労働参加率の低下に注目する声がある。これは悪い数字の低下である、と。
 http://www.wsj.com/articles/u-s-added-only-38-000-jobs-in-may-1464957215
 マーケットは株価とドルが下落した。米国債の利回りは低下した。投資家は利上げの期待をリセットした。ここ数週間、Fed幹部は6月にも利上げがあるかもしれないとにおわせていた。しかし、5月の雇用統計は利上げの可能性に疑問を抱かせる内容だった。
 金融政策の変更にもっともセンシティブな2年もの国債金利は、0・784%に低下した。これは2015年9月以降でもっとも大きい1日当たりの下落幅だ。10年もの国債の利回りも1・707%に低下した。
 http://www.wsj.com/articles/stocks-tick-higher-ahead-of-u-s-jobs-report-1464940259?cb=logged0.4732222150613631
 CRより。失望させるような雇用統計の結果であった、とコメントしている。ただ、わずかであるが、前向きの結果もある。賃金上昇、失業率の低下、そして、長期失業者も減少した。
 http://www.calculatedriskblog.com/2016/06/comments-disappointing-employment-report.html