曇り。穏やかな週末。
米国のベイナー議員辞任の余波。現在、議会の政策議論で上位にきているテーマについても今後甚大な影響を及ぼす可能性があると分析されている。具体的には債務上限問題や輸出入銀行問題についてだ。
とくに大手企業が望む政策が停滞することは、深刻な混乱を招く可能性がある。大手企業は共和党が議会で多数派を占めるよう、何百万ドルも費やしてきた。米国版の商工会議所だけで7000万ドル以上も費やし、15ある共和党の予備選挙にかかわってきた。
経済界が政治にもとめるものは何か。それは、移民改革であり、税制改革であり、輸出入銀行の問題だ。これからこうした難題を解決しなければならないのに、共和党の主流派がグラつきはじめている。ベイナー議員は経済界と共和党を金銭的に結びつける要石であり、茶会党から守る防壁だった。
ベイナー議員の辞任は輸出入銀行の議論のゆくえも不透明にしている。
一番緊急に対応しなければいけないのは、政府閉鎖を避けることだ。現在の政府予算は9月30日に期限が切れる。ベイナー議員は政府閉鎖を避ける方向で動いていた。それは2013年に起きた2週間にわたる政府閉鎖の再来を恐れていたからだ。
http://www.wsj.com/articles/boehner-departure-ramps-up-congressional-uncertainty-1443200953
ベイナー氏の辞任について、クルーグマン教授。民主党支持者だけあって、「彼は妨害主義者だ」とベイナー氏に手厳しい。
アメリカの家計は家計を引き締めているが、米国政策はそうではない。ベイナー氏は2009年にそういう発言を行っているが、それは緊縮財政マニアのたわごとであり、その結果、リセッションをよりひどいものにしてしまった、とクルーグマン教授は批判している。
http://krugman.blogs.nytimes.com/2015/09/25/boehner-and-the-belt/?_r=0&mtrref=undefined&assetType=opinion
VW問題。スイスの当局はVW製の車の販売を禁止した。この禁止措置は18万台のディーゼルエンジン車に影響する。
一方、VWは金曜日、子会社であるポルシェのトップ、マチアス・ミュラー氏を新たなCEOに選んだ。ミュラー氏は62歳。VWの株価は過去1週間で34パーセントも下落した。ミューラー氏の課題は、堕ちたVWブランドの回復と、米国の排気ガステストを偽っていたことへの補償だ。
現在VWは潜在的な規制当局からの罰金に備え、65億ユーロを想定している。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/72d9fdc6-63a4-11e5-a28b-50226830d644.html#axzz3mtu3ilZO
エコノミスト誌より。今回のVWスキャンダルはVWそのものの経営にとどまらず、他の自動車メーカーや他の国、そしてディーゼルの将来そのものに深刻な影響を与えるだろう、と予想している。
今後集団訴訟や罰金などによってVWが負担するコストは膨大な金額になると予想され、過去BPがディープウォーターホライズン事件で追ったケースを想起させる。ディープウォーター事件そのものは事故だったが、今回は意図的な犯罪性のある事件である。
http://www.economist.com/news/leaders/21666226-volkswagens-falsification-pollution-tests-opens-door-very-different-car