英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ベイナー辞任

 曇り。
 米国でもひとり暮らしの高齢者をどう支えるかが大きな問題になっている。この記事に出てくるのは82歳の一人暮らしの女性の例。カナダ国境の街(メイン州)に60年近く住んでいる。
 寒くなると、石油ではなく、木を燃やす。石油を買うだけのお金がないからだ。
 メイン州は米国の中でももっとも田舎にある州であり、こうしたひとり暮らしの老人をどう支えるかが問題になっている。
 http://www.wsj.com/articles/communities-struggle-to-care-for-elderly-alone-at-home-1443193481
 フォルクスワーゲンのスキャンダルは沈静化する兆しが見えない。もともとディーゼルエンジン車は認められているよりも多くの排気ガスを排出しているのではないか、との疑惑はこのフォルクスワーゲン問題が発生する以前からささやかれていた。しかし、車好きのドイツ人は、その疑惑をしっかり精査しようというインセンティブを持たないできた。というのも、7人に1人が直接的か間接的を問わず、自動車市場に関わっているからだ。
 今回の問題は「政治の失敗だ」という指摘も出ている。これまで政府は自動車産業をうまく規制できていなかった、ということを意味するからだ。
 フォルクスワーゲン幹部はドイツ政界とリボルビングドアーの関係にあった。有名な例は前首相のシュレーダーとの関係だ。彼は1990年代にフォルクスワーゲンのボードメンバーの一人だった。彼は「自動車宰相」といわれるほど、親自動車産業的政策をとっていた。
 http://www.wsj.com/articles/vw-scandal-tests-auto-loving-germany-1443217183
 米国のジョン・ベイナー下院院内総務が辞任の意向を表明した。WSJでも触れられているが、FTより。ベイナー議員はオハイオ州出身の共和党議員で、オバマ大統領の好敵手だった。10月末までに議会を辞める。共和党右派からの何年にもわたる攻撃が原因だという。
 ベイナー議員は、カトリック教の法王が彼に手を回して祈ったときのことを思い出し、記者たちの前で泣き出した。
 ベイナー議員は分裂する共和党内を何とかまとめてきたが、最近数週間は党内右派からの攻撃は激しさを増す一方だった。
 議員を辞職しなければならないほどの党内対立とは、どれほど激しいのだろうか。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/bd445a08-638d-11e5-9846-de406ccb37f2.html#axzz3mnwFqrQq
 ベイナー辞任について、WSJはこう伝えている。茶会党の勢力はますます力を増し、共和党内の主流派は党内を把握できなくなっているという。
 しかし、こうした動きは初めてのことではない。2010年にはユタ州上院議員、ベネット氏が茶会党に破れた。
 次の標的にされそうなのは、ミッチ・マコンネル上院議員だろう。茶会党のリーダーの一人は、ベイナー議員の辞任に勝利宣言を発している。
 ドナルド・トランプの人気とベイナー上院議員の辞任との間には、米国の共和党の中で何が起きているのかを象徴したものが存在する。ベイナー辞任は狂った人間たちの勝利を意味するという解説もある。
 http://www.wsj.com/articles/boehners-demise-leaves-gop-establishment-shaking-1443220194