英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ウクライナ支援をめぐる政治闘争

 曇り。

 バイデン大統領はウクライナへの戦争支援を続ける考えを示した。米国内ではウクライナ支援継続をめぐり、政治的な論争になっている。共和党では国境政策と結びつける形でウクライナ支援予算を批判する動きがある。

 米国のバイデン大統領は、アメリカはウクライナから立ち去るべきでないと述べた。議会が政府閉鎖を避けるために、60億ドルの支援を放棄することを決めた後の発言である。

 バイデン大統領は日曜日に演説し、「われわれは出ていかない」と述べた。さらに、共和党民主党の大半はキエフを助けることを支持していると述べた。政府閉鎖をめぐるドタバタは、ゼレンスキー大統領がワシントンを訪問してから、わずか数日後のことだ。

 ウクライナ支援の可否はここ数カ月、米国の政治における対立点であった。しかし、にもかかわらず両党の取引からウクライナ支援を外す動きは多くのウクライナ支援国に動揺を与えた。

 日曜日にウクライナを訪問したEU外交政策担当のBorrell氏は、この決定に驚いたと述べた。しかし、欧州としてはウクライナ支援を継続する考えであり、続けるだけでなく、増額もしたいという。ドイツの社会民主党広報からは、ウクライナは過激な米国共和党の犠牲になろうとしている、と述べた。

 今回の米国の決定は米国の外交政策に対する信認をひどく傷つけた、と述べた。

 一方、共和党マッカーシー議長はCBSニュースに対し、ウクライナ支援は継続するが、私にとっての優先順位はアメリカと我々の国境にある、と述べた。

 一方、上院では、ウクライナ支援と国境問題は両立する、と述べる声がある。

 https://www.ft.com/content/9f6a2eff-fe6c-49c5-bf40-eba30b36c64c

 アメリカの政府閉鎖問題。マッカーシー議長は職をかけたリスクをとろうとしている。下院の共和党議員の言い争いはあまりに分裂していて、マッカーシー議長を引きずりおろすことはできなさそうだ。

 アメリカの議会は9月30日、その仕事を果たすことで世界を驚かせた。連邦政府の閉鎖を避けるために、最後の最後で法案を可決したのだ。しかし、その犠牲になったのがウクライナ支援の拡大法案であった。

 下院のマッカーシー議長は、自身の権威に対する挑戦に直面している。

 ここ数週間、マッカーシー議長は共和党内の過激派をなだめることに苦心してきた。歳出を大幅に削減し、保守的な政策を求める連中である。しかし、最後の最後になって、真っ赤シー氏は党内の過激派を見限り、民主党の投票に依存する提案に踏み切った。その結果、共和党員よりも民主党員のほうが法案の支持が多い結果となった。

 マッカーシー議長にとって、政府閉鎖を避けるには民主党に頼るしかない状況であった。驚きは、マッカーシー議長が政府閉鎖を避けるために、妥協に踏み切ったことだ。法案には160億ドルにのぼる国内災害支援の予算が含まれているが、ウクライナ支援予算は外された。240億ドルをホワイトハウスは求めていた。

 しかも、今回の暫定予算は11月17日までであり、ドラマは6週間後にもう一度繰り返される可能性がある。

 理論的には、マッカーシー議長は今後、政府予算をめぐってホワイトハウスや上院と交渉する必要がある。議長は党内の反乱分子に対処する必要がある。 

 https://www.economist.com/united-states/2023/10/01/by-averting-a-government-shutdown-kevin-mccarthy-risks-his-job