英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

財政政策の効果

 流動性の罠の状態にあったり、通貨同盟内にあって独自の金融政策というオプションがとれない国にとって、財政政策はどの程度効果があるのだろうか。
 従来は財政刺激策の効果は限定的である、との主張が強かった。しかし、この論文では財政出動乗数効果は従来想定されていたよりも大きい、と述べている。具体的には乗数は1以上である、と述べている。
 財政刺激策が効くルートは、流動性の罠のもとにおいては、インフレ→実質利子率の低下→消費刺激という経路のようだ。しかし、通貨同盟下の一国経済においては、財政出動の効果はより限られると指摘している。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2013/10/fiscal-multipliers-liquidity-traps-and-currency-unions.html
 この記事も興味深い。冒頭のグラフをみると、米国の金融政策が歴史的な水準からみていかに緩和的であるかがわかる。一方、失業率は徐々に低下してきているが、これもまた歴史的な水準からみると、まだ高水準である。
 こうした事態について、Fedが完全にコントロール出来ている状態にあるのか、非常に微妙である。ここで重要なのが、経済が完全雇用を達成したときの自然利子率の概念である。
 http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21588354-central-banks-ignore-century-old-observation-their-peril-natural