英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

長期停滞の処方箋

 以前取り上げたケネス・ルゴフ教授の論考についての反応。世界経済の低迷は何が要因か。ルゴフ教授は需要不足ではなく、過剰債務の後遺症が原因である、と診断した。
 それゆえ需要を刺激するための政策は間違いであるとしている。
 しかし、ブランシャールやサマーズらは、積極的な財政・金融政策が必要だと結論づけている。
 とくに重要なのが財政政策だ。大規模な緊縮財政政策をとった国は、永続的に大きなGDPの縮小を招いてしまう、という実証研究の結果が得られている。
 サマーズとデロング教授による最新論文でも、欧州における最近の財政緊縮は、自滅的な結果を招いているとしている。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2015/10/gdp-growth-is-not-exogenous.html
 このブログ記事もたいへん興味深い。
 新しく任命されたFedのボードメンバー、ブレイナード氏の講演について。財政政策がより積極的に活用できるのであれば、中央銀行家の仕事も楽になるのではないか、という指摘である。
 dual mandateを論じたうえで、ECBのインフレターゲット政策について言及している。ECBの政策は不透明であり、与えられたマンデートと実際のアクションに混乱がみられるという。
 https://fsaraceno.wordpress.com/2015/10/14/fed-debates-and-the-emu-technocratic-illusion/