英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

中央銀行のキーワード

 米欧の中央銀行において、最近のキーワードがそれぞれ存在する。
 Fed幹部の嫌いな言葉は「Tapering」なのだという。この言葉は、Fedの金融緩和縮小を指す便利な言葉として、最近のバズワードになっている。しかし、Fedからすれば、いったん緩和を縮小しても、経済の状況によっては再び債券買い取り額を増やすかもしれない。また、緩和の縮小は定期的に縮小するのではなく、休みの時期もありうる。Taperingという言葉には、そうしたニュアンスがなく、Fedの嫌うところなのだろう。
 3月の記者会見でバーナンキ議長はこの言葉を一度も使わなかった。また、ニューヨーク連銀のダドレー総裁もこの言葉を避けている。
 http://blogs.wsj.com/economics/2013/06/07/why-the-fed-hates-the-word-tapering/
 先週のECB理事会とその後のドラギ総裁の記者会見について。政策金利の変更はなかったが、そのこと自体に驚きはなく、記者会見も見どころはなかった。ドラギ会見のキーワードは「Sudued」。インフレはsubdued。クレジットもsubdued。経済回復のペースもsubdued。ドラギ総裁がこのキーワードを連発する様連想できて、面白い。
 http://www.economist.com/blogs/freeexchange/2013/06/ecbs-meeting