英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ラインハート&ロゴフ教授の反論

 ゴールデンウィーク初日は、これ以上ないという好天。思わず外で昼寝をしたくなる。
 米国の今年第1四半期の実質GDPは年率換算で2・5%増加した。昨年の第4四半期は0・4%成長だったので、大きく回復したことになる。その要因の一つは一時的な要因がある。しかし、力強い回復かというと疑問符がつく。この四半期GDPの結果を受けて、Fedは債券買い取りプログラムの手じまいを求められそうだ。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424127887323789704578446513668963282.html?mod=WSJ_hp_LEFTWhatsNewsCollection
 ニューヨークタイムズに寄せたラインハートとロゴフ両教授の記事。債務と成長の関係について、議論が白熱している。両教授は、マサチューセッツ工科大の3人の研究者による批判論文が公表されて以降、ひどい中傷と攻撃に悩まされてきたようだ。
 それはともかく、両教授の反論の一つは、2010年ペーパーで導き出した重要な結論を、MITの3人は覆すに至らなかったことだ。それはつまり、公的債務残高がGDP比で90%かそれ以上を超えると、長い目でみると、成長率はそうでない場合と比べて1%低いという点だ。
 問われるべき問題は次のような点だ。”Does high debt merely reflect weaker tax revenues and slower growth? Or does high debt undermine growth? ”そして、90%というGDP比の債務残高が必ずしも結果を左右する魔法の閾値ではない、と主張する。
 http://www.nytimes.com/2013/04/26/opinion/debt-growth-and-the-austerity-debate.html?ref=business&_r=0
 ここで議論の俎上にのぼっているのが、ラインハートとロゴフ両氏が2010年に発表した「借金時代の成長について」と題する論文だ。44か国についての200年に及ぶデータをもとに、先進国、新興国ともに、高い水準の公的債務は低成長と関係している(was associated with)と結論を導き出している。
 http://scholar.harvard.edu/files/rogoff/files/growth_in_time_debt_aer.pdf
 ラインハート夫妻とロゴフ教授の関連論文。
 http://online.wsj.com/public/resources/documents/JEP0413.pdf