英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

拝啓バーナンキ議長殿

 議長殿、ボルカー元議長のように大胆な政策に打って出るときですぞ。さだめし、こんな意味のタイトルなのだろうか。カリフォルニア大のローマー教授の提言。名目GDPをターゲットとする政策の採用を呼びかけている。
 よく知られているように、高インフレ率に悩まされていた米国で、当時のボルカーFRB議長は、政策金利を引き上げ、インフレ率を1979年の11%から1983年の3%まで劇的に引き下げた。失業率はいったん10%超まで急上昇したが、やがて平常水準まで落ち着いた。
 現在、ボルカー元議長の時代と異なり、インフレ率は低いが、失業率は高どまっている。バーナンキ議長は、ボルカー元議長のように、前例のない手段で失業問題に取り組むべきである。つまり、名目GDPターゲット政策を開始すべきである。 
 名目GDPを目標にすることは、Fedが名目GDPをコミットすることを意味する。具体的には、通常の実質GDP成長率は2・5%。Fedはインフレ率は2%が望ましいと考えているので、ターゲットとなる名目成長率は4・5%だ。
 Fedが目標にコミットすることで、将来の成長への期待が改善し、消費や成長が活発になるのだという。さらに、インフレ期待も一時的に上昇する。
 しかし、Fedがコミットするだけでそのような期待が生じ、そんなに簡単に実体経済が活性化するものだろうか。同時に、一層の量的緩和、すなわちQE3が必要なのだという。
http://www.nytimes.com/2011/10/30/business/economy/ben-bernanke-needs-a-volcker-moment.html?_r=1