英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Fedのシカゴ研究集会

 晴れ。

 日本や欧州をとらえている低インフレをFedが心配し始めている。

 15年前に日本は一つの問題に直面していた。インフレ率と金利の低下、そして高い成長をもたらす能力が限定されている問題であり、リセッションへ対応する余地がなくなっていたことである。5年前に欧州も同じ問題に直面した。

 この懸念をいま、Fedが抱えている。そして、シカゴで火曜日から始まる2日間の研究集会で議論される予定だ。

 政策担当者が採用しうる変化はいくつかある。一つは、2%の物価目標にコミットし続けるべきなのかだ。

 現在の政策枠組みのもとでは、Fedは年率で2%の物価周辺で維持し続けようとしている。問題は、2012年にこの目標を採用して以降、インフレ率はほとんど2%を下回り続けてきたことだ。その結果、世間はFedがこの目標にコミットしていないと考えている。そして、Fedとしては、消費者や企業がより弱いインフレ率を期待することになっていると恐れている。いわゆる自己実現的な予言という代物である。

 パウウェル議長は2月の講演で、この2%の物価目標をより信頼できるものにする方法をいくつか考えていると話した。具体的には、いくつかの幹部は、2%のインフレ率を超過することを今よりも頻繁に許容することを考えている。

 これはつまり、超低金利を非常に長い期間続けると市場参加者に信じさせることを意味している。そうすると、イエレン前議長がいうように長期金利が急速に低下し、刺激効果をもたらすだろう。

 パウウェル議長が昨年秋に政策の見直しを発表したとき、人々は経済の先行きについて楽観視していた。しかし、この考えは間違っていた。インフレ率は今年に入り、弱くなり、エネルギーと食糧を除いたコアインフレ率は1.5%まで低下した。

 https://www.wsj.com/articles/low-inflation-trap-that-ensnared-japan-and-europe-worries-fed-11559554201