英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

40の手習い

 連休のような長い休みがあると、あらぬことを思いつくものだが、とうとうブログを始めることにした。40の手習いである。
 まずは、日ごろのニュースを見聞きして考えた感想めいたものを、備忘録的に記していきたい。毎日続けることが目標である。
 
 今日一番気になったニュースは、ギリシャ救済に関連したECBの決定だ(5月3日付け)。ギリシャ国債政府保証債)の適格担保性を変更すると発表した。

 http://www.ecb.int/press/pr/date/2010/html/pr100503.en.html

 適格担保となるには、一定の格付けが必要とされているが、その条件を適用することを延期する。期限は「until further notice」とされている。

 この措置は効くのだろうか。ギリシャ国債を担保にした借り入れはスムーズに行われるのだろうか。格付け会社はどのようなアクションをとるのだろうか。

 FT紙は、”The move amounts to an embarrassing about-turn for the ECB.”と書く。ECBがこれまで遵守してきた、加盟国を特別扱いしない、との原則が揺らいでいる。
 さらに、これまでECBが禁じていた国債の買い切りにも踏み切るのではないか、という。ECBのバランスシート劣化を通じて、ユーロの信認問題にもつながりかねないのだろうか。

FT紙で、PIMCOのEl−Erian氏は、4つの問題点を挙げている。このうち、3番目と4番目の指摘が気になった。
 El−Erian氏はそれぞれ「今回のプログラムはソルベンシーの問題というより、流動性の問題に対処している。その結果、1980年代のラテンアメリカのように、失われた10年のようなリスクに直面している。(中略)debt overhangが続く限り、ギリシャへの投資は阻害されるだろう」「ギリシャは、投資家構成のすばやい変更(移行)を必要としている。つまり、それはギリシャを成熟したユーロ諸国と思ってその国債を誤って購入した投資家から、もっとクレジットリスク選好の強い投資家へ」と書いている。

 それにしても、ギリシャに適用される緊縮プログラム(budget austerity)が、国民生活にどのくらいのインパクトを与えるのだろうか。