英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ヨーロッパ防衛における「アメリカの不在」

 曇り。

 欧州はアメリカ抜きに自身を防衛できるか。軍事援助や核の傘、リーダーシップを取り換える必要があるという。

 ロシアの反体制派リーダーだったアレクセイ・ナバルヌイ氏がシベリアの収容所で亡くなった。このニュースは欧州に衝撃をもたらしたが、ミュンヘン安全保障会議に集まった首脳陣らは、ナバルヌイ氏の死去は大陸欧州でいくつかある進展の1つに過ぎないとみなしている。

 2月17日には、ウクライナ軍が東部戦線のアブディーカから撤退を強いられた。過去1年間において、プーチン氏にとって最初の軍事的勝利となる。

 アメリカ議会における停滞も、ウクライナ支援に強固に反対するトランプ氏の影響を受けている。そして、11月の大統領選でトランプ氏が勝利すれば、ミュンヘンにより暗い見通しを投げかけることになるだろう。

 1週間前、トランプ氏は同盟国に対し、NATO加盟国に課された防衛費目標に達成しない場合は、防衛に参加しないと述べた。

 欧州にとって、次の3つが相まって、過去数十年でもっとも危険な状況を作り出している。ロシアの再軍備ウクライナの停滞、そしてトランプ氏のホワイトハウス復帰である。欧州諸国は、80年近くに及ぶ同盟国であるアメリカ抜きにこの危機を乗り越えることができるのか、測りかねている。問題はアメリカがウクライナを見捨てるのか否かだけでなく、欧州も見捨てるのかどうかにもかかっている。

 アメリカの不在によって生まれた空白を埋めるには、単に防衛費を増額するだけでは不足である。軍事力というものを再考する必要があるし、核の抑止力の役割を考える必要がある。

 https://www.economist.com/briefing/2024/02/18/can-europe-defend-itself-without-america

 ロシア軍の勝利が世界の首脳陣の信念を揺るがしている。ウクライナ戦争はロシア優位に進み始めている。1年前には、欧州の首脳陣はウクライナ戦争について楽観論を口にしていた。

 ミュンヘンで3日間に及ぶ会議が行われた。わかったのは、ウクライナがよい多くの武器と弾薬を必要としており、連帯のレトリックは至急行動を起こす必要があるということを意味している。

 https://www.ft.com/content/4ae05ba9-34bd-4a53-bf6d-8b8b660b64c1