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キャピタルグループの成功と転落の危険

 曇り。

 キャピタルグループの動向。その社風がアセットマネージャーを数十年にわたって成功に導いてきた。しかし、今現在は競合に取り残されるリスクがある。

 今年初め、世界最大のマネーマネージャーの1つであるキャピタルグループは、投資専門家向けに2人のゲストを用意した。1人は人が気づかないことに気づく天才。もう1人は逆張りと循環投資の専門家である。後者は航空株や鉄鋼株の変動を指摘した。

 投資に大事なことは、自分の投資サイクルに合わない市場があれば、そこで投資しない忍耐強さを持てるかどうか、だという。しかし、それには信じられないような勇気が必要となる。

 キャピタルグループはアクティブ投資マネージャーで、AUMは2.1兆ドルに及ぶ。そのファンドは複数の人間によって運営され、合意を重視せず、それぞれのマネージャーがバラバラに異なったポジションを持つ。つまり、キャピタル全体のファンドでは、一方で売り、一方で買い、というポジションがありうる。

 過去数十年間の運営成績は良好だ。

 捕食者だらけの業界にあって、キャピタルグループは鯨のようだ。ゆっくり動き、フレンドリーで巨大である。その協調的なカルチャーは業界で尊敬されている。

 しかし今、キャピタルグループは挑戦にさらされている。退職した顧客は貯蓄やファンドから資金を引き出し始めている。2016年以降、純資金流入額はマイナス続きだ。2022年に入ると、相場の変動が同社を直撃した。

 いくつかの旗艦ファンドのパフォーマンスが悪かった。バンガードやブラックロックのような競合の方がより早く成長している。

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