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高まる米国のインフレ圧力

 米国で高まるインフレ圧力。インフレ圧力が継続すると、米国の労働コストも高止まりする可能性がある。

 労働市場はタイトになっており、企業は労働者を引き付けようと躍起になっているが、雇用コスト指数は4%の上昇を記録した。

 米国の労働コストが急激に上昇している。そのことがインフレ圧力となっている。

 米国の賃金や報酬を追いかけている最新のECI報告によると、第4四半期における民間労働者に対する報酬総額は1%増えた。第3四半期が1.3%の伸びだったのに比べると、若干の低下となった。エコノミストの事前予想を若干下回った。

 ただし、12カ月に換算すると、年率4%の上昇幅となる。賃金は4.5%の上昇、福利厚生費は2.8%の上昇だった。

 サービス部門の雇用者はもっとも高い賃金の伸びを経験している。賃金総額の伸び率は7.1%にのぼった。レジャーや観光部門は8%の伸びである。昨年の労働者不足が賃金上昇に火をつけた格好だ。

 ウェルズファーゴのシニアエコノミストは、四半期比較で労働コストの上昇ペースが緩やかになっていることを前向きに評価している。しかし、経済はまだ森を抜けていないと警告している。注目は今年の第1四半期の数字である。

 昨年12月、パウエル議長はECIの伸びに言及している。その結果、12月に金融刺激策の規模縮小を決めることになった。

 6月を最後に国債購入を取りやめること当初の予定を早め、終わりを3月初めに設定しようとしている。そして、3月には2018年以来となる利上げに踏み切ると予想されている。

 Fedが重視するPCEは12月に前年同月比で4.9%上昇した。11月は同4.7%だったので、インフレのペースは加速しているといえる。変動の激しい食品やエネルギーを要素に入れると、PCE指数は5.8%もの伸びとなる。

 PCE指数はCPIとは計算が若干異なる。消費者物価指数は7%の伸びを示している。

 https://www.ft.com/content/8ca4b68d-9df4-45a3-ae7b-09bfd9cc58b7