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怒れるフランス

 晴れ。

 AUKUSについて、フランスが怒りを募らせている。米国とオーストラリアの駐在大使を召還するという行為に出た。潜水艦取引に抗議した格好だ。

 フランスはワシントンとキャンベラに駐在する大使を召還した。オーストラリアが原子力潜水艦を米国から購入し、フランスと契約していた調達契約を破棄したことへの外交的な抗議活動である。

 フランスの外務大臣は声明文を金曜日夜に出し、マクロン大統領から抗議をするよう指示されたことを明らかにした。

 いわゆるAukus取引と呼ばれる豪州と米国、英国との同盟は、米国の同盟国やパートナーに対する受け入れがたい行為であると述べた。欧州にとってインド太平洋の重要性や同盟関係の基礎にあるものに触れた行為であるという。

 フランスが特に敏感に反応したのは、この同盟からフランスが排除されたことだ。同盟の3か国は相互に緊密な軍事関係を結ぶ。太平洋にはフランス領ポリネシアなど、フランスに関する領土もある。そこには200万人の人々がおり、フランスは7000人の軍隊を送っている。

 フランスの動きに対し、ホワイトハウスは金曜日、遺憾の意を表明すると同時に、数日以内にフランスとの差異を解消すべく動き始めるとした。オーストラリア政府も、フランスの深い失望を理解できると表明した。

 しかし、同盟国の間で大使を召還するというのは、非常にまれな出来事である。普通は敵対的な行為や受け入れがたい行動をとる国に対し、とられる措置である。

 AUKUSは中国対策として、英米豪の3か国が軍事的な協力を強化する狙いで行ったものだ。

 米英の首脳はフランスをなだめることを考えている。

 https://www.ft.com/content/d7d354e2-6218-4bd3-a186-14f31fa63a35