英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ビットコインの野望

 曇り。

 ビットコインは「金」になろうとしているのだという。Gavyn Davies氏。

 数年にわたる仮想通貨への敵対的な姿勢の後、中央銀行は限定的な役割について認める方向に転じる。

 ビットコインや他の仮想通貨の投資家らは表面的にはそれらの価格高騰を享受しているように見える。しかし、彼らは本当はイエレン前議長が財務長官に就任し、規制当局者として仮想通貨に敵対的にならないか心配をしている。

 2017年にFRB議長として行ったイエレン氏最後の記者会見において、イエレン氏はビットコインは非常に投機的な資産であり、価値を安定的にストックするには向かないと述べた。

 この否定的な発言は当時の公職に就く多くの人々に共通する見解だった。しかしそれ以降、ビットコインの市場価値はおよそ2倍になった。

 2017年から2018年にかけての最初の仮想通貨ブームの際、あるコメディアンはビットコインのことを、コンピューターについて理解できないことと同様、お金について理解できなすべてのこと、と述べた。その後、仮想通貨は進化を遂げている。200億ドルに及ぶ、仮想通貨によるIPOは投機的なバブルの側面を含んでいるようにみえるが、この仕組みはシリコンバレーのITベンチャーで幅広く使われるようになっている。

 さらに、SECからジェイ・クレイトン氏が引退したのも、仮想通貨業界にとっては良いニュースかもしれない。しかし、仮想通貨を支払いや送金の手段として使うということには依然として抵抗が残るだろう。それは一つには高い決済コストがかかることが挙げられる。

 イエレン新財務長官は、前任のムニューシン長官の姿勢を受け継ぎ、よりオーソドックスな姿勢を採用するだろう。Fedは海外の中央銀行と協力をし、中央銀行デジタル通貨の検討を進めている。これは中国がリードする形で徐々に法制化が進むだろうが、仮想通貨ではなく、法的通貨となるだろう。

 フェイスブックのリブラのようなハイブリッドな仮想通貨はどうなるだろうか。これは中央銀行にとっては、実物資産や法定通貨に紐づく形になる点でより歓迎しやすいだろう。

 では、ビットコインは金にとって代わることはありうるのだろうか。歴史や規制、市場のボラティリティをみる限り、そうしたことはありそうもないように見える。しかし、より重要な役割を与えられる可能性はある。

 https://www.ft.com/content/625fbd5a-d90c-434f-998d-5e0eeb4c0f71

 トランプ弾劾の動きの続報。共和党議員らの間では、民主党が求める弾劾は認めないが、大統領に辞任を求める声が増えている。

 民主党議員が求めるトランプ弾劾の動きは米上院で抵抗にあっている。下院の民主党は大統領を弾劾することについて投票を行う計画を立てている。火曜日か水曜日に行われそうだ。弾劾を支持する署名はすでに200近く集まっている。

 トランプ大統領は歴史上、弾劾を2回受けた大統領となる可能性がある。

 共和党議員の間では首都で起きた暴力行為の責任を求める声が高まっているが、上院で大統領弾劾に投票する議員は一人もいない模様だ。そして、弾劾が最善の策だと思わないとする議員も複数いる。弾劾ではないが、大統領に即時退任を求める声はある。

 https://www.ft.com/content/2f7dbbc5-63f2-494a-b90c-3116f51fd2df