晴れ。2020年のIPO市場。
コロナウイルスの大流行が、かえってIPOブームを引き起こした。2020年は企業が株式上場によって資金調達を増やした。これは2007年に起きたことよりも大規模な動きであった。株価が回復したことで、企業やSPACの上場を誘引した。
企業が2020年に世界中で調達した資金はおよそ3000億ドルにのぼる。米国は特に記録を更新し、1590億ドルになった。このブームはとくにドアダッシュやエアビーなど、急成長中のテック会社の公開を含む。
2020年は3月に大きく株価を下げた後、急回復した。また、人々が自宅から仕事に復帰しつつある中、ビジネスを急成長させたテクノロジーグループに投資家は殺到した。スノーフレークの上場は好例である。
ゴールドマン・サックスによると、テクノロジーやヘルスケア、消費財グループの間で強い需要が循環している。投資家はコロナウイルスの影響は長く続く前提で考えている。たとえば、食事は外でとるのではなく、オーダーすることが快適であると感じるようになっている。
米国とアジア地域の取引額は前年比で70%も上昇した。欧州においては対照的に停滞した。アジア地域は734億ドルを記録したが、上場中止となったアントグループがもし加わっていれば、高い伸びを示しただろう。
SPACも急増した。米国において、年末時点で760億ドルのキャッシュを調達した。来年にも上場が予定されている。
https://www.ft.com/content/af6e52d5-ec71-41c1-b021-33d81e371a17
PEについて。プライベートエクイティも、コロナによって位置づけが大きく変わった。これまでニッチな金融とみられていたが、主流派に躍り出る可能性があるという。
ブラックストーンなどは自身をPEに売却する検討を始めている。このビジネスモデルはコロナ前に生まれたが、その活用法はPE自身によって変化しようとしている。
コロナによって、投資先企業を売却して儲ける単純な約束が果たせなくなろうとしている。コロナウイルスによってM&Aが難しくなり、他の買い手やIPOによってエグジットをはかるビジネスが難しくなったためだ。伝統的なエグジットの道筋がなくなったのだ。そのため、その代替策を探そうとしている。
使われずに残っている資金が2.5兆ドルも積み上がっており、そのことが新規の買収に関する競争をより厳しいものにしている。
事業を継続するために、いわゆる継続ファンドを組成する必要がある。そして、それを支援してくれる投資家を見つけ、投資を続けないといけない。
https://www.ft.com/content/ee914ea4-4ad9-4eec-97c3-95af841122bf