快晴。
ニューヨーク連銀ブログより。
過去30年間、米国の銀行は2900以上の銀行が、単純な預金預け入れ機関から、幅広いビジネスを手掛けるコングロマリット企業に変化した。では、どのようなタイプのコングロマリットに「変身」したのだろうか。
1986年から2018年までの資料を使って分析すると、ビジネスモデルの変身を決断してから3年間は、平均的に、リスクを低下させるとともに、ROEの高い企業に生まれ変わったという。しかし、ビジネスモデルを変えてから時間が経つとともに、こうしたパフォーマンスは減退していき、1990年代末にはすっかり消え去ったという。
まず定義から。「コア銀行」とは、預金を主にローンの拡大に使う銀行を指す。こうしたコア銀行はアメリカにおいて、大半の銀行を代表するビジネスモデルである。
しかし、1980年代の終わりから、多くのコア銀行がコングロマリットへ変身した。コングロマリットとは、銀行持ち株会社を設立し、それ以外の法的組織の所有と支配を目的とする組織のことだ。多くのケースでは、このプロセスは、単なる銀行組織を、より複雑な組織に変更させた。こうした経緯については、多くの資料で議論されている。
もし銀行の目的が、流動性を供給し、信用を拡大するだけであれば、これはすなわち金融仲介という仕事のことだが、こうした「移動」は望ましいことなのだろうか。また、こうした銀行業以外の活動は金融仲介が進化し、狭義のナローバンクは不要になりつつあることを意味しているのだろうか?
もしそうであるのなら、こうしたコングロマリット形態の銀行は、社会的に望ましいということになる。
しかし、コングロマリット化は、パフォーマンスやリスクの面で前述のような示唆をもたらしている。
この分析では、コングロマリットを選ぶ前に、銀行に何が起きていたかにフォーカスを当てている。変身前の収益が良ければ、コングロマリットになりやすいのか否かである。
https://libertystreeteconomics.newyorkfed.org/2019/12/selection-in-banking.html
参考記事はこちら。
https://libertystreeteconomics.newyorkfed.org/2014/03/evolution-in-bank-complexity.html